表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/1622

152話 レイド vs上位魔族⑧

アッシュは他のスレイヤー達にオーガの大群の外側から戦力を削ぐように指示を出した。


集団の中に踏み込むのはリスクが高い。


一撃で致命傷を与えることができないかもしれない、ということだけではない。密集した中で囲まれ、逃げ場をなくすことだけは避けておきたかった。それだけオーガは耐久性が高いのだ。


パーティーごとに5組に別れて、オーガの大群を囲むような布陣を組む。


ヒット&アウェイで相手を翻弄し、少しずつ戦力を削いでいく。

後衛の魔法士が魔法を放ち、直撃した間隙を狙って前衛が物理攻撃を仕掛ける。


熟練のコンビネーションを見せるスレイヤー達はオーガの数を一体、また一体と減らしていった。




アッシュは単独で剣撃を繰り出し、オーガを両断していった。


首や間接を狙い、時には皮膚の弱い目や口に刺突を入れていく。


オーガの指揮官は取り囲んで攻撃をするように指示を出したが、その素振りを確認したアッシュが集団に踏み込み、指揮官の首を跳ねた。


阿鼻叫喚が周囲を覆う状況の中、アッシュは冷静に無理のない攻撃を行う。


集団からの離脱の際には炎撃を放ち、後続を断ち切った。




一度間合いを長く取り、仲間の状態を確認したアッシュはオーガに押されぎみなパーティーの救援に向かう。戦況を見極めるとまた離脱して他の場所へと移り、攻撃を続けていく。


やがて、オーガはその数を10名足らずに減らし、戦意を喪失させていった。見るからに動きが鈍った敵にスレイヤー達は容赦のない攻撃を入れ、ついには殲滅を成功させた。




「ほう。思ったよりも早かったな。」


オーガを殲滅に追いやったアッシュ達は、再び魔族が地に降り立ったことに気がついた。


手には剣を持ち、半身に構えている。


「第二ラウンドの開始か?」


アッシュは1人で前に出て剣を構える。


「個々の力はそれほどでもないが、集団での力は脅威となると考えるべきだろう。ここで叩いておくか。」


独り言のように話す魔族は顔を上げ、山の方を見上げた。


「···ギルマス···他にも魔族が···。」


ステファニーが魔族の視線を追うと、山の上空から4体の別の魔族がこちらに迫っていた。


アッシュは目の前の魔族から目を離さない。


「こっちに向かっている魔族はお前と同格か?」


「ふん、奴等は使い魔程度の下級魔族だ。我と同じにするでない。」


スレイヤー全員に衝撃が走った。


これまでに対峙していた魔族が下級魔族という事実。


「お前と同格の魔族はどのくらいいる?」


「···正確には知らん。興味がないのでな。上位魔族は20人に満たないと言っておこうか。」


魔族は不敵に笑った。

スレイヤー達の絶望的な表情を見て楽しかったからだ。


下級魔族ですらランクAクラスのスレイヤーが数人がかりでようやく倒せるかどうかなのだ。上位魔族ともなれば、どのくらいの戦力で挑まなければならないのか。


「もう一つ教えておいてやろう。下級魔族が5人がかりでも我は倒せない。貴様らはここから生きては帰れん。」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ