第4章 朋友 「相棒③」
扉を破壊して現れたのは、身の丈が5メートル近くある巨人だった。
姿形はオーガに似ている。
しかし、これほど巨大なオーガなど見たことがなかった。以前に戦ったヘカトンケイルを彷彿させるような体躯をしている。
教会の扉をかがみ込むように入ってくる巨人に、アッシュが先制を仕掛けた。
右腕から放たれた蒼炎は巨人の胸に直撃し、さながら物理攻撃のようにその巨体を後方へと突き飛ばす。
向かいの建物へ衝突した巨人は、崩壊の音をかき消すように咆哮をあげた。
「風穴をあけるつもりで放ったが、相当硬い外皮をしているようだな。」
そう言いつつ、アッシュはそのまま外に向かって疾走する。
俺は両手にHG-01を顕現させた。
これだけ派手にやれば、周囲にいる悪魔も無関心ではないだろう。
気になるのは、あの巨人がまるで俺たちがここにいるのを知っていたかのように強襲してきたことだ。
俺たちは気配を可能な限り消していた。
巨人が現れたタイミングから考えると、事前にここから潜入することを把握していた者がいると考えた方が自然だろう。
教会の上階へとあがり、窓から周囲をうかがった。
こちらに向かってくる複数の邪気は感じている。しかし、その中に特異な奴はいない。
すぐに二重三重の包囲網が敷かれるかのように、後続の邪気の動きがこちらに向かって集中した。
窓から飛び降り、外の物陰をつたいながら近づく邪気に向けてHG-01を発射する。
起き上がった巨人とアッシュは派手な戦いを繰り広げていた。
巨人の一撃で建物が難なく崩壊し、アッシュの蒼炎が周囲をその色に染める。
相当数が近づき、アッシュの方へ群がるような布陣を形成した悪魔へHG-01を連射させた。
悪魔たちの上半身を次々に吹き飛ばした大口径マグナム弾は、貫通した弾丸が重なり合った敵の体をさらに破壊する。ホローポイントとフルメタルジャケットの弾頭を交互に装填した結果だ。
すぐにSG-02に切り替え、通りを駆け抜けながら近距離から散弾を撒き散らす。
核を破壊された悪魔たちは地面に倒れていくが、それ以上にこちらに迫る数の方が多かった。
左手でSG-02の引金をしぼりながら、右手で手榴弾を投擲してこちらに向かって来る敵を牽制する。
アッシュの方を見ると、首から上を破壊された巨人が立ち往生していた。
しかし、その邪気はまだ消えていない。
アッシュもそれに気づいているようで、さらに追撃を開始しようとしていた。
このままでは悪魔の数がさらに膨れ上がりそうだ。
俺はマトリックスを顕現させて発進させた。




