第4章 朋友 「sudden⑰」
悪魔が徘徊する都市に戻るつもりだが、今度は偵察のようなものでは済まないだろう。
単独で行くには危険が大き過ぎだ。
こういったときに頼りになる男がいる。
戦いが好きで目を離したらいろいろと厄介事を増やしてくれそうだが、戦力としては申し分ない。
そこでまたパティにお願いして、通信をつなげてもらった。
毎回誰かに頼るしかないのが煩わしいが、クリスが作ってくれたインカムでは出力が足りず、遠距離での通信はやはり厳しかったのだ。
何度か試したことはあるのだが、地形なども影響するようでマトリックスで高度をかなり上げたときくらいしかつながらなかった。しかも感度が悪く、あまり使い物にならない。
普通に考えれば中継局でも必要なのだろうが、それを設置するのは難しいだろう。
「お、出番か?」
通信がつながった瞬間の向こうの第一声である。
「ああ、待たせたな。」
「よし、いつでも行けるぜ。」
「じゃあ、待ってるぞ。」
「いや、向かいに来てくれ。」
「転移に近い力は授からなかったのか?」
「そんな便利なものがあればそっちに行ってる。俺が使えるのはそれほど遠くには行けないぞ。」
「連発してくればいいじゃないか。」
「どれだけ消耗すると思ってるんだ。」
「わかった。そっちに向かう。」
俺にしても、あまり長距離の転移は快適ではない。
何度も使いたくはなかったが、仕方がないだろう。
俺は転移を連発してスレイヤーギルドへと向かった。
「「おえっ。」」
前回の長距離転移で慣れたと思っていたのだが、アッシュが嘔吐くのを見てもらってしまった。
クリスに言って酔い止めでも作ってもらえないものだろうか。
一度、みんながいる都市へと戻り体調を整えることにした。
ここからならそれほどの距離はないので、そこまで気分は悪くならないだろう。
スレイヤーギルドに戻ったタイミングでクリスの所へと行き、弾薬などの補給は終わらせている。
「出発は明朝だな。」
「わかった。今回は殲滅作戦ということで良いのか?」
「先に様子を見てからだ。もしかするとテトリアがいる可能性がある。」
「あいつはどうやったら消せるんだ?」
「さあな。お経でも唱えてやればいいんじゃないか。」
「おキョーって何だ?」
「故人を供養するときに唱えるものだ。」
「詠唱みたいなものか。」
アッシュが適当なことを言っていたが、こちらも冗談で言っただけだから放っておくことにした。




