143話 レイド 魔族vsエージェント NextStage7
「アッシュ·フォン·ギルバートだと?」
「それでは貴様がギルマスなのか?」
あ···しまった。
こいつらアッシュのことを知っていやがった。
「髪の色が聞いていたのとは違うぞ。確か銀髪だと···。」
「染めたんだ。」
「瞳の色も青いと···。」
「染めたんだ。」
あ···。
「「「·························。」」」
「····間違えた。染めたんじゃなくてカラコンだ。」
「···カラコンとは何だ?」
「企業秘密だ。」
「またそれか?企業秘密とはどのくらいの種類の魔法があるのだ?」
魔族は好奇心が旺盛のようだ。
新型の魔法に興味津々で闘うことを忘れているのか?
あ、良いことを思いついた。
「仕方がないな。特別に見せてやるよ。新型の魔法、企業秘密の一部を。」
「何!?本当かっ?」
3体とも赤い瞳を輝かせてるよ。
ほんと、バカじゃないのか。
「今から使う魔法は名付けて···」
「「「名付けて···?」」」
そんなことを話ながら、俺はベルトにつけたツール入れ···シザーバッグのようなものだ···から小さなビンを取り出して蓋を緩める。
「誰でも良いから少し前に出てきてくれないか?この魔法は有効射程が短いんだ。」
「···良いだろう。我が出る。」
そう言った1体がこちらに近づいてきた。5メートルくらいの距離で立ち止まる。
「これで良いだろう。それで、魔法の名は?」
本当に救いようがないバカだ。
「コショウショウショウだ。」
「な···何?コショショ···??」
俺はコンパクトなフォームでビンを投げつけた。
高速で飛んでくるビンを、前に出ていた魔族が反射的に手で受け取った。そして、その反動で蓋が外れる。
中から黒い粉が飛び散り、魔族の顔に降り注いだ。
「ぶわっ!な··ぶふ··ぇっ··くしょん!!」
胡椒少々だ。
抜刀。
斬!
魔族の1体はくしゃみをしながら地獄へと旅立った。




