第4章 朋友 「blassreiter⑩」
「おそらくこれだろう。」
暗部の男と魔石を探し、ようやく見つけることができた。
船着場の周辺にある建物にはなかったので、街中にある海運ギルドの建物を訪れた。そのギルドが管理している倉庫内を探して、ようやく発見したのだ。
「この量でどれくらい航続できそうだ?」
「これだと発進と加速時に使う分しかない。川は流れに乗れば進むが、海に出たら帆が主力ということだろう。定期的に加速を行い惰性で進むにしてもなかなか厳しいだろうな。」
予想はしていたが、かなり難しい問題となりそうだ。
「帆船の操舵はできるか?」
「できないことはないが、俺たち3人だと心もとない。海が荒れたら対応しきれないだろうな。」
帆船は舵をとるよりも、帆を張ったりたたむことが重労働なのだ。風を読みとって動くとなると、素人では無理といっていい。
「とりあえずは海に出るところまで移動するしかないか。あとはケースバイケースだが、最悪の場合は河口付近から陸路にルートを変更するしかない。」
「そうだな。ただ、陸路となると別の問題が浮上する。体力的にも厳しいはずだ。」
このあたりの見解は一致している。
帆船を使って川をくだり、まずはここから離れることが先決だ。
しかし、海に出てしまうと船を制御できなくなると考えるしかない。
咄嗟の対応は不可能だろうし、下手をすると外洋に流されてそのまま遭難することになる。
陸路を選んだ場合は悪魔や魔族、魔物に対する危険度が増す。そして、共に行動する者たちの体力や飢えの心配をしなければならなかった。
「避難できそうな街や都市に心あたりは?」
「下流に向かって行くとなると難しいな。逆方面なら可能性はあるが、それでも距離を考えると歩きでは無理だろう。船で上流に向かうというわけにはいかないしな。」
海運ギルドで見つけた地図を広げた。
「上流をさかのぼった場合、避難できそうな都市や街までの距離はどのくらいあるかわかるか?」
「何か方法があるのか?この魔石だと、流れに逆行できるのは大した距離じゃないぞ。」
「策がないわけじゃないが、確実性はない。ただ、河口付近から陸路を行くよりはマシかもしれない。」
「ふむ、だったらこの付近まで川をさかのぼれば、この都市までは歩いて行けない距離じゃない。それでもかなりキツいだろうがな。」
実際に現地を見ていないので何とも言えないが、川幅的には船が通れそうな感じがする。
「この数字は何だろうか。」
地図上に小さな数字が等間隔で書かれていた。
「川の深さじゃないのか。船でどこまで行けるかを記している可能性はあるな。」
あの帆船の喫水線はどのあたりだろうか。喫水とは、船の浮き沈みの程度を表している。地図上に書かれた数字の最小は5だ。これが水深5メートルだとすると、帆船での航行が可能かどうか調べなければならない。




