第4章 朋友 「annihilation⑰」
都市跡の外周壁で崩壊していない位置に降り立った。
周囲よりも高さがあるため、避難民たちが移動するのがかろうじて目に入る。
GL-01を取り出して可能な限り遠くにばら撒くように弾を発射し、悪魔たちのすぐ背後を爆撃する。
すでにこちらの攻撃内容をある程度理解していた悪魔たちは、前方へと回避し直撃を避けている。
矢継ぎ早に再装填を行い、何度もそれを繰り返した。
「!?」
斜め前方から光線が放たれた。
直撃する位置ではなかったが、数メートル下の壁にあたり足もとを揺らされた。
それに続くように他の悪魔たちからも同じ光線が放たれる。
魔法ではなく羅術だ。
俺は外周壁の上を数歩駆け、体を宙に踊らせた。
GL-01からSM-01へとスイッチしてオートに切り替え、横に半円を描くように掃射する。
盲射のためあたらないだろうが、牽制にはなったようだ。
悪魔たちの攻撃が一瞬鳴りを潜めた。
地上に降り立ちマガジンを交換する。
回転が速すぎてオートではすぐに弾薬が尽きてしまう。
セミオートに切り替え、3発バーストで悪魔がいる方角に向けて引き金をしぼる。
横に走りながら身を隠せる瓦礫へと走った。
攻撃に転じようとする悪魔へは、弾丸を集中させて身を引かせる。
一種の膠着状態となった。
ここで時間を与えるには早すぎる。
避難民たちの逃走はまだ始まったばかりだ。
GL-01の攻撃で土煙が舞い、後方への視界は確保しずらい状況である。しかし、気配を読む余裕を与えれば、気づく悪魔もいるかもしれなかった。
連続して手榴弾を投擲する。
まだ敵の数は20体はいるだろう。
間隙を見て瓦礫から飛び出した。
すぐ後に羅術で瓦礫が破壊されたのを感じる。
SM-01を掃射しながら、悪魔の数が少ない方へと突進した。
リスクは負うが、ここで引きつけておかなければ最悪の状況になりかねない。
弾が尽きたタイミングでSG-02に持ち替え連射した。
周囲で土煙が上がり視界を閉ざす。
気配を可能な限り消し、近接戦を展開する。
聖剣ライニングを抜き、悪魔たちへ急迫して上半身を突き刺し屠っていった。
こういった戦いは、長いようで実際の時間経過は短いものだ。
まだしばらくは時間を稼ぐ必要があるだろう。
幸いにも、元人間ばかりなのか銃撃戦に混乱している。目の前にいる悪魔たちが相手なら、戦いは有利に展開することができたのだ。




