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140話 レイド 魔族vsエージェント NextStage4

「お···おい···あれ···ヤバくね?」


村にいたスレイヤーの1人が誰にともなしに呟いた。


レイドが発令したことにより集結したパーティーは、パティやスレイド達を含めて7組、総勢32名。


魔物の発生個体数と、何らかの陽動ではないかと言う推測の元に、緊急で手配された総数だ。到着して早々に魔物数百体はすでに殲滅され、新たに魔族が出現したと聞かされた。


こういったレイドでの召集は数ヵ月に一度の割合で発生していたが、今回のように魔物の大群の出現に続いて魔族の存在が確認されるのは極めて稀なケースと言えた。


しかも、先行していたランクAスレイヤーの指示に従い、全体で障壁を張ると、これまでに経験をしたことのない爆裂がすぐ近くで巻き起こった。


驚愕と恐怖がスレイヤー達に走る。


「タイガは···あいつは大丈夫なのか!?」


バーネットがパティに向けて叫ぶ。


「···大丈夫···だと思う···。」


バーネットはタイガに魔法が通用しないことを知らない。だが、それを知っているパティにも不安が押し寄せてきていた。


これだけの爆裂魔法はこれまでに見たことがない。いくらタイガでも、あれだけの破壊力や爆風で飛ぶ木や石の破片に曝されると無事では済まないのではないか···まして負傷してからまだ数日しか経っていない。その思いが断ち切れなかったのだ。


「タイガさん···。」


同じ気持ちはシスにも大きな不安として襲っていた。

魔族の驚異的な攻撃と、信頼するタイガへの心配が怒濤のように押し寄せてくる。タイガに魔法が効かないことは聞いている。しかし、それを実際に見たことがないシスには、この目の前の光景は衝撃的すぎた。


「大丈夫。タイガさんは無敵です。」


そんな周囲を勇気づけるようにテスがきっぱりと言い放った。


テスにも不安がない訳ではない。

しかし、彼女にはこれまでの経緯から、他の誰にもできないような闘いに身を投じ、それを打ち破ってきたタイガの姿が強い印象としてあった。彼は私達を見捨てない。絶対に。その強い気持ちが、タイガの無事を信じていた。




「ククク···少しやり過ぎたか?」


「人間達に改めて我々の恐怖を植えつけるのにはちょうど良かったのではないか?」


「確かにな。だが、村にいる者達もすぐに殲滅する。証人は誰も残らんのではないか?」


「誰か1人だけでも生かしておけばいい。我等の力を吹聴させるためにな。」


「ああ。そうだな。そうしよう。」


ようやく魔法による攻撃を終えた魔族達は満足そうにそんな会話をしていた。


眼下には今も土煙が色濃く漂い、標的がいた周辺を視認することはできなかった。だが、気配を感じない。この世界では気配をよむと言うことは魔力をよむのと同意義である。魔力のない生命体など存在しないからだ。


魔族達は、標的であるタイガの死を信じて疑わなかった。








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