139話 レイド 魔族vsエージェント NextStage3
俺は両手に持った石を時間差で魔族に投げつけた。
生い茂る枝葉を隠れ蓑にしたブラインドスローだが、邪気で魔族の位置は正確に把握できていた。
スレイド達が村まで駆け抜けるまでの牽制で投じた2発のうちの1発が魔族に直撃する。
今さらだが、魔族は人間に対してかなりの油断をしているのか?
それとも、ただ間抜けなのか?
簡単に罠にひっかかるところを見ると両方なのかもしれない。バカが相手だとこちらは楽で助かるのだが。
投石を食らった魔族がそのまま地面まで落ちてきた。
上空に投げたので大した威力ではないだろうが、あたりどころが悪かったのかもしれない。
すぐに気配を消して落下点に向かった。
「ぐっ···何だ···何が起こった!?」
上空から落ちてきて地面に叩きつけられた魔族は頭が混乱していた。何が起こったのかを把握できず、自分がどこにいるのかもわかっていない。
後方に微かな気配を感じて振り向くと、黒いコートを羽織った人間が立っていた。
抜刀。
斬!
魔族の1体はそのまま袈裟斬りに両断された。
上空の魔族達は落ちた仲間の気配が消えたことに気づいた。
投石をまともに受けたのは間抜けだが、敵の計算しつくされた奇襲に驚愕する。
「おい、死んだぞっ!」
「わかっている。わめくな。」
「上空にいた我等に気づいていたと言うのか。小癪な人間め!」
魔族達は怒り狂った。
自分達よりもはるかに劣る下等生物と見なしている人間にいいようにあしらわれたのだ。
「出てきたぞっ!」
枝葉の繁みから出てきた人間が中指を立てて挑発をしてきた。
「おのれ!目にものを見せてくれるわ!!」
3体の魔族達は上空からありったけの魔法を放ち出した。
たった1人の人間に対して過剰なまでの攻撃。
地面が爆発を起こし、炎が辺りを覆う。
木が弾け、周囲一面を爆風がなでる。
爆音と轟音が山に木霊し、地が震えた。
標的がいる場所に連続した爆裂魔法が着弾し、地面は既に原型をとどめないほどの焦土と化している。
普通に考えればありえないほどの破壊。
魔族達の怒りの強さがその攻撃に現れているかのように集中砲火は数分間続いた。




