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【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
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第4章 朋友 「reconnaissance⑨」

目的地の手前まで来た。


数キロほど距離を残してマトリックスから降り、徒歩にて向かうことにする。


このくらいの距離まで近づけば、警戒のために人員を配置したり巡回しているのが普通なのだが、そのような気配はまったく掴めなかった。


拠点を移動された可能性もあるが、ここまでの道のりで襲われた街や村は見かけていない。自分たちの力を過信して悠長にかまえているのかもしれない。魔族と同じで、警戒しなくとも有事に対処できると考えている気がする。


しかし、そう考えると奴らの狙いが不明瞭になる。テトリアを撃退したことで指揮する者がいなくなったとは思わない。その程度で統率が取れなくなるなら、奴が単独で先行することもなかっただろう。


少なくとも近隣の街や村は既に避難しており、近々までの生活の様子はうかがえるも無人の場所ばかりとなっていた。グレッグたちが退避する際に声をかけたのかもしれない。


ソート・ジャッジメントで反応しているのは、この先にある都市全体だといえた。邪気や悪意といったものが塊のように存在するということである。個々の動きは見いだせないが、一定の範囲内に留まっているようだ。


少し高台になった位置に陣取り、都市の一端に視線を注ぐ。詳しくはわからないが、目に入る場所には悪魔や魔族の姿はなかった。


グレッグによると国自体はそれほどの規模ではなく、眼前にある首都に人が集中している国家だそうだ。他にあるのは点在する街や村で、数百人から多くて1万に満たない都市しかないという。


推定で人口10万人程度の首都。その多くが国家に従じる者らしい。ビルシュからの情報と合わせると軍に属する者の割合が高いように思えるが、国力を考えれば軍備に力を割かなければ他国からの侵略を許しやすいからだと思える。


周辺に存在する人が少ないからこそ、被害が広まらなかった可能性が高い。首都から1度でも外へ出ると、北に向かって一気に侵攻を開始するかもしれない。


情報では首都の向こう側は大海となっている。地理を理解して動くかはわからないが、そういった精査はすでに終わっていると見るべきだろう。つまり、いつ侵攻を開始してもおかしくはないということだ。


首都の周辺は平地であまり身を隠すところもない。


悪魔は飛行や遠視ができるため、近づくとすぐに監視に引かかってしまうだろう。ここにいても大した成果は上がらないとは思うが、マトリックスで上空から近づいても気づかれるまでに大した猶予はないと思えた。


しばらく様子を見て暗くなってから動くかと思った時に、後方に気配を感じた。気配はまだかなり先にあるが、気づかれないように身を隠しながら意識を集中させる。





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