表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/1622

131話 レイド 魔物襲来③

早朝。


寝ていた俺は人の気配を感じて目を覚ました。殺気や邪気ではない。近くで人の寝息と、甘い香りがしたのだ。


横に温もりを感じて、そちらに視線を移すと···誰かが寄り添って寝ていた。


「···········うそぉ···。」


あわてて昨夜の記憶を探るが、間違いなく1人で就寝したはずた。


薄暗い中でじっと目を凝らすと、それが誰なのかに気がついた。


顔は見えないが寝ていてもボリュームのある胸、女豹のようにしなやかな手足に見覚えがある。


「ニーナか?」


「う····ん~。」


名前を呼んで反応をしたが、そのまま俺の腕を抱き込んで再び寝息を立てた。


柔らかい···おぉ··この感触は···はっ!


トリップしそうになった意識を無理やり引き戻してニーナを起こすことにした。


残念だが····本当に····残念だが···。


「ニーナ、起きて。」


肩を揺らすと眠そうな目を擦りながら何とか起きてくれた。


「ん···タイガ···おはよう。」


「おはよう。····何でここにいるんだ?」


「朝方に蒼龍とバスタードソードの調整が終わったから持ってきたのよ。」


「もしかして徹夜?」


「それに近いかな。早くタイガに渡してあげたくて····ふぁぁ···。」


口許を押さえてアクビをするニーナは、いつものクールな感じとは真逆で新鮮だ。刀の話をする時のギャップも激しいが。


「どうやって入ったの?」


「玄関から~。」


いや、それはわかってる。


「鍵は?」


「私は鍛治士よ。」


それは知ってる···。


「解錠くらいすぐにできる。」


いや、あのね···。


「ついでに合鍵もつくっちゃったぁ~。」


クスクス笑いながら話すニーナ。


「それは···ダメだよな····。」


「えぇ~、ダメなの?」


逆に何で良いんだ?


「私とタイガの仲だし、良いでしょ。」


「俺にもプライベートと言うものがあるぞ。」


「彼女いてるの?」


「いや···いない。」


「じゃあ、大丈夫よ。」


どういう理屈だろうか。


「···一緒のベッドに何で寝てたの?」


「寝不足だから仕方ないよね。」


「襲われたらどうするんだ?」


「タイガに?大丈夫よ。信用してるから···あ、でもタイガなら良いよ。」


いたずらっ子のように笑うニーナ。たぶん、からかっているんだろう。


真面目に相手をしても仕方がないので、起き上がってバスタードソードを手にした。


「柄の部分の調整は完璧だな。鍔のバランスも良い感じだ。さすが。」


注文通りに柄は俺の手に馴染むように調整をされていた。革が巻いてあるのでしっくりと掌に馴染む。鍔は小さくまとめられており、重量バランスも安定していた。


「結構がんばったんだから。それより、タイガって着痩せするのね。すごい体。」


俺は上半身に何も着ていなかった。寝るときはシーツの感触を楽しみたい派なのだ。


「ああ···ごめん。すぐに何か着るよ。」


俺はあわててシャツを羽織った。


「そのままでも良いのに···目の保養になるし。」


ニーナは楽しそうに笑っていた。


社交辞令はいいって。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ