129話 レイド 魔物襲来①
新章突入です。
預金残高を確認した。
3体の魔族を倒した事によって振り込まれた報酬額と預金残高の合計から地売屋から購入した土地代金などを差し引いても余裕で10億ゴールド以上あった。
う~ん、金持ちだ。
ギルド職員に聞いてみると、平均的なスレイヤーの年収は3000万くらいらしい。ランクAで1億前後。
魔族の討伐は通常何人ものスレイヤーで挑み、その討伐報酬は分配されることになる。ランクSでもそれは同じで、1人で闘う奴などほぼいない。認定証は魔族や魔物と遭遇した時点で相手の魔力やスレイヤーの攻撃(物理的なものを含む)を察知してその行為を記録する。支援や回復魔法などについての貢献は認定証では判別がつかないため、討伐完了後にパーティーリーダーが精査して申告する仕組みになっている。
どんなに優れたシステムでも穴はある。そこを埋めるのは人の力というのはどの世界でも同じのようだ。
普通に生活していたら経済面で困ることはないな。
預金残高を見てもそんな感想しかなかった。異世界に来たからかはわからないが、あまりお金に執着を感じる気持ちがない。
必要な時に使えるお金があるというのは重要なことだ。昨日の地売屋の件みたいな時に役立つしな。
そんなことを思うだけだった。
午前中にパティ、シス、テス、バーネットの修練につきあう。
今日はフェリもリルも学院に行っているので、連携の確認をメインとした模擬戦を行った。
「昨日の修練の成果だな。連携がスムーズになってる。それにシスとテスの動きにも無駄がなくなって全体的なレベルの底上げができているな。」
「リルさんとフェリさんに手解きを受けたら効率的に魔法が使えるようになったんです。」
「私も魔力を強化する独自の訓練方法を教わりました。もっと貢献できるようにがんばります。」
成果を伝えると、シスとテスからは明るい返答がきた。パティやバーネットも手応えを感じているようで、連携の修正点などを話している。
4人がチームとして強くなれば、その分だけ俺が自由に動ける。成り行きでできたようなパーティーだが、フェリとリルが不在の平日でも巡回などをこなすのに問題はなさそうだ。
ダルメシアンとの約束があったので修練を抜けてカフェに向かった。こちらの件は形になるまで少し時間と手間がかかりそうなので、できるだけ話を詰めておきたい。
「ギルマス補佐様、おはようございます。」
ダルメシアンはすでに来ていた。
「おはよう。タイガで良いよ。堅苦しいのは苦手だから。」
「ではタイガさん、昨日の件について詳しい話を聞かせてくれ。」
「じゃあ、ちょっと移動しようか?」
俺はダルメシアンを連れて昨日に購入した店舗に向かうことにした。
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