第4章 朋友 「The fool again⑤」
「そうそう、あの国には強力な援軍を送っておいたから、周りの国は大変な事になるだろうね。」
相変わらずニヤニヤと笑いながら嫌な事を言う。
「悪魔か魔族を送り込んだのか?」
「まぁ、そんなとこだね。でも、君にはどうする事もできないよ。ここで消えるんだから。」
テトリアはそう言って剣を構えて突進してきた。
速い。
動いたと思った瞬間に、既に間合いに入られていた。
「あまり手間をかけさせないでくれたら、うれしいんだけどね。」
咄嗟に横に飛び、刺突をギリギリの所でかわす。
「ちょこまかと。」
左手がこちらに向けられていた。
掌から黒い光が出るのと同じタイミングで瞬間移動した。
背後に回り、破龍でその背中を斬りつける。
「!?」
体を回転させながら剣で横薙ぎにされた。
上段からの斬り落としの途中で、肘をたたみ剣を合わす。
「くっ!」
剣が衝突した衝撃で後方に吹っ飛ばされた。何とか踏みとどまったが、すぐに奴の剣が振り下ろされる。
後ろ足の膝をわざと崩して上体を逸らす。剣風で頬が裂けたがそのまま間合いを取る。
「諦めた方が良いよ。力の差は歴然だ。」
テトリアの猛攻。
縦横無尽に剣を走らせてくる。
何とか反応し、奴の攻撃を凌ぐ。
だが、まだ本気でない事は、剣から伝わる衝撃でわかった。
こいつは圧倒的な力を得て俺を翻弄しようとしているのだ。
体勢を崩す振りをして足払いを仕掛ける。
「おっと。」
軽く跳び退り、かわされた。
同時にこちらも後方へと跳び、間合いをあける。
風撃斬。
竜孔流を纏わせた斬撃を放った。
バシィン!
「無駄無駄。君の攻撃は効かないと言ったはずだろう。」
また剣で弾かれた。
あれを何とかできなければ勝機はなさそうだ。
「その剣はどこから奪ってきた?」
「んん?聞きたい?教えてあげようか?」
ニタニタと笑いながらそんなことを言う。
「そうだな。教えてくれ。」
相変わらず子供じみた受け答えをしてくるが、時間を稼ぐチャンスといえた。
「んー、どうしようかっなぁ。」
見る限り、何か特殊な力を纏っているようには見えない。だが、あの剣がこちらの力を打ち消しているのは間違いないだろう。
「それだけの力を得ても不安なのか?」
少し挑発してみることにする。
「不安?そんなわけはないだろう。」
「そうか。俺には怖がっているように見えるが、気のせいか。」
「····················。」
「どうした?」
「相変わらず、僕を怒らせるのが得意なようだ。」
「これくらいで怒る奴はいないだろう。ああ、怯えている奴は被害妄想が激しいというが、今のおまえがそうなのか?」
奴のこめかみに血管が浮き出た。
激怒したようだ。




