第4章 朋友 「集う力⑬」
気配の動くスピードを考えれば馬で駆けてきているのだろう。
まっすぐにこちらに向かって来ている。
「···加護者?」
ファフが眉間を寄せながらそうつぶやいた。
「え?」
気配はスレイヤーギルドのある街とは逆方向から向かって来ていた。
可能性があるのはアッシュだが、先ほどのリルとの会話を考えればそんなはずはないといえた。
「間違いなさそうですね。準加護者ではなく、純然たる加護者だとわかります。」
マルガレーテもファフの言葉を肯定する。
リル達ではなく、アッシュの可能性も低い。となれば、考えられるのは最後の加護者ということになるが、このタイミングで現れるというのは驚きだった。
ヴィーヴルが自らの加護者を見出だし、こちらまで連れて来たのだろうか。
そう考えた時に、迫ってくる気配が懐かしいものであることに気がついた。
「まさか···。」
小さな影が視界に入ってきた。
まだ容姿を捉えるには至らないが、近づいてくるにつれて気配の主が誰かということに確信を抱くようになった。
「これも縁というやつか。」
「あの加護者はアッシュという奴なのか?」
「ん?いや、違う。おそらく、白帝に見出だされた最後の加護者だろう。」
ファフの疑問に答えたが、マルガレーテの表情が険しくなっていることに気づいた。
「どうかしたのか?」
そう聞いてみると、マルガレーテはこちらに視線を移して唇をぴくぴくとさせていた。
「また···女性ですか?」
「え?」
「タイガ様の様子だと、顔見知りのようですが···。」
「まあ、知り合いだけど。」
「·······························。」
何かマルガレーテが殺気じみた気配を出しているのだが。
また女性ですか?と言われても知らんがな。
「あ、手を振ってる。」
何かあったのかと近づいてきたソルが、無邪気にそう言った。
傍らではマルガレーテが何とも言えないオーラのようなものを漂わせているが、ソルには気にならないようだ。
というか、大丈夫か?
マルガレーテがちょっと怖いんだが。




