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【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
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第4章 朋友 「集う力⑧」

ふふっと笑うマルガレーテの声が煩わしかった。


お嫁に行けない体···一体何があったのだろうか。


フェリは自然と苦しさを感じる胸に手をやっていた。


「それは···。」


「はい、何でしょうか?」


勝ち誇るような笑みを見せるマルガレーテに、心が折れそうになる。


しかし、フェリは思いきった質問をすることにした。


もし嫌な想像が事実だとして、それを証明する方法など思い浮かばなかった。タイガにそのようなことを聞く勇気などないのだ。


だからフェリはこう言った。


「タ···タイガには、普段は見えない所にほくろがあるの。それを見たということですよね?」


「え···。」


マルガレーテの表情が固まった。


それを見たフェリは少し心に余裕ができた気がする。


「その場所を知っているということですよね?」


今度は胸を張ってそう言い放った。


「え···ええ。」


マルガレーテの目が泳いでいた。


フェリは確信した。


マルガレーテは誤解を招くようなことをわざと言っている。嘘は言っていないのかもしれないが、想像するような関係ではないと思えた。


「それはどこですか?」


畳み掛けるように言い放つ。


これで自信ありげに答えられたらどうしようもないが、彼女の態度を見る限りそれはなさそうだった。


「そ···それは···。」


「知らないのですね?」


マルガレーテが唇を噛むような仕草をしている。


「あなたは···それを知っているということですか?」


震える声で質問を返してきたマルガレーテを見て、フェリはやはり自分と同じだと感じた。


深く息を吸い込み、次の言葉を慎重に選ぶ。


「知りません。」


「···え?」


「試すようなことをして申し訳ありません。私は、マルガレーテさんと同じなんだと思います。」


「····························。」


マルガレーテはしばらく声を発さずにいたが、やがて何かに気づいたように息を吐き出した。


「こちらこそ失礼しました。大人げなく試すようなことをしてしまい、お恥ずかしい限りです。」


「こちらこそ、失礼なことをしてしまいました。」


フェリは、この人が悪い人ではないと感じた。


何となく目線を合わし、互いに口もとを緩ませる。


「そうですか。あなたも同じなのですね。」


「私だけではありません。タイガは自覚がありませんが、天然ジゴロと呼ばれていますから。」


「ああ···やはりそうなのですね。」


フェリの発言にマルガレーテは得心したようだった。


「行く先々で変なフラグを立てては破壊するフラグ・クラッシャーとも呼ばれていました。」


「フラグ・クラッシャー···。」


絶句するマルガレーテは遠い目をしていた。




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