第4章 朋友 「新奇⑰」
現地に戻り、みんなと合流してからは作業に没頭する日々だった。
しばらく滞在する予定なので、テントを張るよりも快適だろうと小屋を建てている最中だった。他の冒険者と作業員には、資材の運び入れのためにスレイヤーギルドの街との往復をしてもらっている。
「「!?」」
細かな作業を手伝ってくれていたマルガレーテとファフだが、不意に何かに反応したようだ。
俺はすぐにソート・ジャッジメントで周囲の警戒を強めたが、気になることは何もなかった。
「どうかしたのか?」
不思議そうな表情を浮かべたマルガレーテにそう問うが、彼女自身にも何が起きたのかはわからないようだ。
「わかりません。今、突然に不思議な感覚におそわれました。」
「ファフはどうだ···。」
ファフはスレイヤーギルドのある街の方角をじっと見ていた。
「···加護者だ。」
しばらくして、ファフが口にしたのはその言葉だった。
「蒼帝ブラールのか?」
「おそらくそうだ。でも、この感覚は1人じゃない。」
「残りの2人も現れたということですか?」
「ん···それは間違いないと思う。でもこれは···。」
何かを考え込むような表情をするファフが気になったが、そっとしておくことにした。
俺には加護者である者の気配はわからない。それはマルガレーテやファフに対してもそうだった。
2人が特別な力を持っていることは初見でもわかったが、それが四方の守護者に関連するものかどうかはわならない。
それに、ファフが考え込むような何かがあるのなら、それを邪魔するようなことはしたくなかった。
俺はそのまま作業を続けることにする。
何かに考えを巡らせても、俺自身が答えを出せる訳じゃない。目先のことを終わらせることの方が生産的といえるのだ。
そもそも、加護者同士が互いを知覚する場合も、離れたところでは難しいようだ。ファフの反応を見る限り、スレイヤーギルドの街に少なくとも1人は加護者がいる可能性が考えられる。
ただ、それにしてもこの距離で気づけるほど精度の高いものではないように思えたのだ。ファフとは違い、マルガレーテについては加護者が全員揃った状況を経験したことがない。
不思議な感覚としか形容できないのは、それが原因だと考えられた。




