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118話 大切な居場所⑩

「おっ、楽しそうなことやってんな。俺も参加してくるかな。」


アッシュは執務室の窓から修練場の様子を見ていた。すぐに自分も修練場に向かおうとしたが、


「ギルマスっ!決済が必要な書類がまだこんなに残ってるんですよ!!」


職員からの無情の言葉が響き拘束される。


「ほんの10分くらい抜けるだけだから。」


「ダメです!先にすべて終わらせてください!!奥様に言いつけますよ。」


「わかった!すぐにやる!!」


職員はアッシュの弱点を心得ていた。




リルが先制の魔法を放った。


風撃が広範囲に展開し、前衛の2人を襲う。


「任せて。」


フェリの精霊魔法が土の障壁を生み出し、パティとシスに迫った風撃を阻む。


属性魔法は各人一種限定でしか扱うことができないが、精霊魔法は土、水、火、風の精霊との契約により、全ての属性魔法の発動が可能となる。


「俺は防御と回復に回る。フェリとテスは後方から前衛2人の支援を頼む。」


バーネットが仲間に的確な指示を出した。実戦経験で言えばチームBで一番のようだ。


「わかったわ。テス、リルに牽制を。」


「はい!」


テスとフェリが炎撃をリルに連続で撃ち込む。リルは風属性の障壁で防ぐが、足止めされた形だ。


「シス、タイガを止めるよ!」


「うん!」


シスが俺に向けて氷柱を連続で放ってきた。直線的な攻撃だったのでかわす···が、


パティが俺の動きを先読みして模擬戦用のダガーを振るってきた。アッシュとの闘いの時と同じ戦法だ。


ダガーは間合いが狭い。


俺は膝を落としながらパティに向かって踏み込んだ。


バシッ!


右手首をはねあげてダガーの軌道を逸らす。


「良い連携だ。」


そう呟いてパティを抜いた。




フラッグに向かって駆ける。


「通さないっ!」


バーネットが盾を剣のように振るってきた。大型の盾だが動きは早い。


盾術と言うと防御に特化していると思われがちだが実は違う。


敵の視界や動線を遮る。


味方の攻撃の軌道を隠す。


相手を押し出し撥ね飛ばす。


武器として振るう。


形状や重量、使い手の技量にもよるが、地味に見られがちな盾は戦闘において多用な戦略を可能とするマルチウェポンなのだ。




バーネットの盾による攻撃をかわす。


「盾術か。どんなものか見せてもらおうか。」


元の世界では盾を装備した敵と闘うことなどなかった。


興味深いのでじっくりと観察させてもらおう。







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