第4章 朋友 「再びの大地⑬」
馬車を拠点として夜営をすることになった。
マルガレーテとファフが戻るまでは、あまり目立たないようにしておきたい。
「カツラの素材に使うから獣を狩ってきてくれないか。」
クリスにそう言われて狩りに出た。
カツラに毛皮を流用するのだろうが、そんなに都合の良い獣などいるのだろうか。
そんなことを思いながら近くの森に入り徘徊した。
狩果としてはまずまずだろう。
数時間で狼らしき獣と鹿、合わせて4頭。
たまたまだが、鹿を追っている狼の群れと出くわした。
鹿は食料として使える。
俺はすぐに狼の毛皮を剥ぎ、鹿の血抜きを行った。
拓けた場所で毛皮についた肉をそぎおとし、揉み叩いて煙で燻す。
燻している間に獣脂を火にかけ、血抜きの終わった鹿を解体した。
これらは幼少の頃に身につけた知識だ。俺は試練の一環で山奥に数ヶ月間放置されていたことがあるのだが、暖をとるための火起こしも含めて我流で身につけた。
今思えば生きるために必死だったので、頭をこれ以上にないくらい働かせて日々を過ごしていた。
誰かに教わったのではない。
物心がつかないうちに鍛錬のために放り込まれた山で、近くに住む猟師がしている作業を見ていたことがヒントになったのだ。
今思えば、ああいった経験はそれなりに役に立つ。戦いに身を投じることをしなくても生きていけるような状態になれば、そういったことを趣味としてやるのも良いかもしれない。
鹿の皮にも同様の処理を行いながら、邪神シュテインの件が片付いたら普通の人としての生活を目指してみようかと思った。
因みに、こういった作業は鞣しという工程になる。この程度だと獣臭まではとれないが、皮が柔らかくなり加工がしやすくなる。
処理が終わると布でくるんだ鹿肉と毛皮を抱えて馬車に戻る。
毛皮をクリスに渡し、ソルと一緒に鹿肉を薫製にするための箱を作り、夕食の準備に取り掛かった。
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新作、「芒星の勇者 ~勇者として召喚されたけど、好き勝手に生きて何が悪い~」も同時連載中です。こちらもよろしくお願いします。
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