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【完結&1114万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?

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第4章 朋友 「再びの大地⑥」

ヴィーヴルは、四方の守護者の存在とグルルの関係、そしてタイガがどういった存在であるかを如実に語った。


「では、タイガは人という存在を超越していると···。」


「そうとも言えるし、そうでないとも言えよう。あやつの心は人そのものだ。数奇な運命に翻弄されてはおるがな。」


「·····························。」


「案ずることはない。タイガは俗な考えは持っておらぬだろう。目的を果たせば、人としての営みの中で生きることを望むと思うぞ。」


「···タイガの目的というのは?」


「人に災いをなす邪神を退けようとしておる。あやつにとって、魔族や悪魔と対峙することは、その一端に過ぎぬと言えるだろう。」


ざっくりとではあるが、サキナは理解した。


叙勲式の日以来、テトリアの本性を垣間見た者たちの中には、タイガに対して不信の念を抱く者も少なからず出ていた。


テトリアとタイガは表裏一体。


一部とはいえ、そのように危険視されていると言ってもいい。


だが、ヴィーヴルの話を聞く上では、タイガは何も変わっていない。


むしろ、神の領域にいる存在を相手どって、孤軍奮闘していると言ってもいいだろう。


魔族や悪魔だけでも手に余る人間にとって、邪神という脅威は不可避な存在だ。


それを退けようとする意志の強さは、想像し難いものである。


しかし、サキナの知っているタイガらしさとも言えた。


何者にも屈しない精神の強さ。


ふと、人懐っこい笑顔を思い出した。


「ヴィーヴル殿。加護者となれば、タイガの一助となるのだろうか。」


「加護者に至ったとして、邪神に匹敵するような力を持てる訳ではない。しかし、タイガと共に歩むのであれば、その一翼を担うことはできよう。」


「ならば、お受けしたい。そのための試練があるのであれば、それに挑もう。」


「ふむ。その意志が及第と言えよう。」


ヴィーヴルがゆっくりと目を閉じる。刹那、目映い光が周囲を照らした。


サキナは体の内部に沸き起こる力と、脳内に知識の奔流が始まるのを感じた。


「加護者の使命とタイガの意志は同義と言えるだろう。あやつと共にいれば、自ずとその機会を得ることになる。」


一瞬の後、光と共にヴィーヴルの姿は消えていた。


「··································。」


今の遭遇が幻でないことは、サキナの中に宿った力が示していた。


口元が綻ぶ。


「これで···並び立てる。」


サキナは両拳をぎゅっと握り、踵を返した。


先ほどまでの憂いは跡形もなく消えていた。









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