第4章 朋友 「再びの大地②」
少しひんやりとした。
転移前の場所は暖かい気候だったが、ここは違うようだ。
神殿の周囲を軽く探索してみたが、寒い土地特有の針葉樹林に囲まれている。
はっきりとした場所はわからないが、推測では北方の土地だろう。
神殿からは、自走式馬車が通れるような道は延びてはいない。かろうじて木々の間を通せないことはないが、無闇に走らせるのは危険が大きいと言えた。
木々の間で身動きが取れなくなったり、魔物に囲まれる可能性がある上に、魔石の補充の目処が立っていない。それを考えると、まずは近くの村や集落を探し出す必要があるだろう。
最善なのは地図を手に入れることだが、馬車が通れる道や町などのおおよその位置がつかめれば、そのまま自走式馬車で向かうか、最悪の場合でも長距離転移を使えば良い。
だが、最初から長距離転移を使うのは、あまり好ましくない。
確実な転移先をイメージしなければ、着いた先でいきなり急流にのまれたり、強力な魔物の生息地に放りだされたりする可能性があるからだ。
だからといって、街中に転移をすれば、目立つことこの上ない。下手をすれば、不審人物として衛兵などに囲まれるかもしれなかった。
突然現れても大丈夫そうな場所に心当たりはあるが、それはアトレイク教会や王城になる。以前の経緯を考えると、また変なものに祭り上げられる可能性が高過ぎる。
ただでさえテトリアの転生者だとか、神の使徒のように見られていたのだ。あまり騒ぎになるような再登場は、避けるにこしたことはない。
「とりあえず、周囲を探索して街や村を探そう。そこで、各地へのアクセス手段を考えるか、現在の位置関係がわかれば次の行動に移れるだろう。」
神殿の周りは、狭い範囲ではあるが、結界のようなものが張られているようだった。
とりあえず、自走式馬車とクリスを残して、別れて探索をすることにした。
上空からマルガレーテが広範囲に周囲の位置関係を調べ、ファフとソルが自走式馬車の経路があるかを確認する。
俺は少し広範囲に動き、水の確保と、人や魔物の痕跡がないかを確認することになった。
「どうやら、通信が使えるようです。想定外の距離ですが、何かの力が働いているのでしょうか?」
マルガレーテが発した言葉に驚いた。
大陸を跨いでの通信は、中継地点がないので無理だろうと考えていたのだが、もしかすると祠や神殿が中継地の役割をしているのかもしれない。
「理由はわからないが、それは助かるな。」
「待ってくれ。どういった理屈でそれが可能になっているのかが気になる。」
クリスが嫌な癖を出してきた。
「待っているのは暇だろうから、それを理論的に解析でもしておいてくれ。」
俺はそう言いながら、他の3人を促して行動を開始するのだった。
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新作、「芒星の勇者 ~勇者として召喚されたけど、好き勝手に生きて何が悪い~」も同時連載中です。こちらもよろしくお願いします。
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