表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
1133/1622

第3章 絆 「炎帝ロゥズル②」

黄昏の森を難なく抜けた後、当初の目的地に向かった。


進路を真南にとり、可能な限り整備された道···とは言っても、固くならされただけの地面ではあるが、最速で行けるように自走式馬車を操った。


ロビン・グッドフェローとは、そのまま黄昏の森で別れている。


かなり凹んではいたが、それをフォローする必要性などこちらには感じなかったので、自身で立ち直ってもらうしかないだろう。


アヤが何かを諭していた。


精霊としての生き方について、アヤなりのアドバイスをしていたのかもしれないが、そこは種族なりの独自の見解があるのだろうし、人間が踏み込む範疇ではないと思っていた。


気になるのは、他にも台頭しようとしている悪魔の存在についてだが、この広い大陸ではそれを網羅することは困難を極めるだろう。


手が届く範囲で力を尽くすしかないと割り切っていた。


念のために、王都にはマルガレーテから通信による注意喚起をしてもらっている。


おかしな動きが認められたら、すぐに連絡が入るだろうから、その時は俺とマルガレーテが転移で飛び、脅威となりそうな対象を排除するしかない。


もちろん、王都にもそれなりの戦力が残っているのだから、彼らも尽力をしてくれるだろう。


因みに、黄昏の森を出てからは、俺が自走式馬車を操車している。


クリスは悪魔バフォメットの手の物に拐われそうになったことで、相当な精神的ダメージを負ってしまったからだ。


視野が狭まり、状況判断も甘くなっていた。


常時、脂汗を浮かべて、たまにぶるぶると震えるようなことがあったので、これはマズイと判断したのだ。


学者というものは、自身が想定すらしていない事象に出くわすと、極端な弱さを発揮するのかもしれない。


クリスの様子を見かねたソルが、いろいろと話しかけてはいたが反応は乏しかった。


フォローを入れられる手段はないかと考えてはみたが、クリスが他の思考に夢中になれるテーマとなれば、武器開発や科学的な検証でしかない。


何かインパクトのあるものはないかと思考を繰り返すうちに、隣にソルがやって来た。


「タイガ、あの人のことだけど···。」


ソルは優しい。


黄昏の森を出てから数時間が経過していたが、ずっとクリスを気にかけていた。


「何かあったのか?」


「少し前から独り言が増えて、今もぶつぶつと何かをつぶやいている。」


「どんなことをつぶやいているかわかるか?」


「んっと···何か、霊力とは何だ?増幅するには···とか、だんやくにこめられるのはどんなほうそくなのだ···とか言っていたよ。」


···どうやら、取り越し苦労だったようだ。


すでにクリスの頭の中には、霊力を用いた攻撃手段の構築でも始まっているのかもしれない。


「そうか。もう大丈夫だな。」


さすがと言うべきか、科学者らしい切り替えというべきか···心配するだけ無駄だったわけだ。


「そうなの?」


「ソルのおかげだ。ありがとうな。」


俺はソルの頭を軽く撫でた。


「ん~、良くわからないけど、大丈夫なら良いかな。」


ソルは太陽のような微笑みを浮かべた。





おもしろい!早く続きが読みたい!と思っていただければ、広告を挟んだ下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いしますm(_ _)m 


新作、「芒星の勇者 ~勇者として召喚されたけど、好き勝手に生きて何が悪い~」も同時連載中です。こちらもよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n1091hn/

  


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ