第3章 絆 「炎帝ロゥズル①」
他のみんなと合流をした。
悪魔バフォメットを討伐したことを伝え、その詳細について語るとクリスから質問があった。
「私はなぜ拐われたのだ?」
ソルには聞かせたくなかったので、あえてそのことには触れていなかったのだ。
「本当に聞きたいか?」
わざわざおぞましい悪魔バフォメットの目的を知る必要はないのだろうが、クリスの性格を考えると知らないということは我慢ができないのかもしれない。
「もちろんだ。それに至った事象について、把握しておかなければ気がすまない。まして、自分に降りかかった災厄だからな。聞く権利はあるはずだ。」
···聞いたら絶対に凹むと思うのだが、コイツはそういう性格だった。
へたに誤魔化しても、ことあるごとに聞いてくるに違いない。
「俺的にはあまり聞かないことをオススメするが···。」
「君らしくないな。先ほども言ったが、私には聞く権利があるはずだ。」
「トラウマになるようなことでもか?」
「···と、当然だろう。」
いいだした手前、引き下がれないのか?
もしくは、飽くなき探求心がそうさせるのか?
どちらにしても、説明をするしか選択肢はない気がした。
「話すのはかまわないが、本当に良いんだな?」
「ああ、大丈夫だ。」
···知らないぞ。
言質は取ったからな。
俺はクリスを他のみんなとは離れた位置へと誘導した。
悪魔バフォメットの邪淫のことは、ソルや女性陣に聞かせるのはどうかと思ったからだ。
「わ、私にも聞く権利はあるはずだ。」
ロビン・グッドフェロー···おまえもか。
「話すのは良いが···本当に良いんだな?重いぞ。」
実際にはどうかわからないが、ロビン・グッドフェローは悪魔バフォメットに手をつけられた可能性がある。
精霊の場合がどうなのかは知らないが。
「だ、大丈夫だ!詳細を聞いておかないと、後々になって後悔をする。」
いや、聞いた方が後悔をすると思うのだが···。
「わかった。話を聞いた後、どう
自分の中で消化するかは、各自の責任でやってくれ。俺はそこまで関知できないからな。」
「と、当然だ!」
「こちらも了承した!」
俺は詳細について話した。
数分後···。
心に何とも言えない闇を抱えた人間と精霊が誕生した。
まあ、クリスは実害を受けたわけでもないし、ロビン・グッドフェローも実際に何かをされたかはわからないのだから、そのうち立ち直るだろう。
後のことは、俺は知らん。
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新作、「芒星の勇者 ~勇者として召喚されたけど、好き勝手に生きて何が悪い~」も同時連載中です。こちらもよろしくお願いします。
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