第3章 絆 「悪魔バフォメット⑨」
貞操の危機は去った。
ついでに、新たな悪魔王の誕生も阻止できたようだ。
それにしても、王都でもそうだったが、各地で悪魔王として成り上がろうとする悪魔がいる可能性は無視できなかった。
「無事だったか。」
アヤが声をかけてきた。
「何とかな。」
「悪魔バフォメットの邪淫の術か···あれは、精霊にも大きな影響を与える。よくぞ倒してくれたものだ。」
あれ?
もしかして、アヤも身の危険を感じて、どこかに一時避難していたのか?
いや、意識が飛ぶ前の彼女の警告と、悪魔バフォメットの性癖に関する言葉がなければ、俺は本当に危なかったかもしれない。
「アヤのおかげで、奴の精神支配から逃れることができた。」
「私のおかげ?んん···私は最終的に自分への干渉を恐れて、気配を消していたのだが···。」
あ、やっぱりそうなのね···。
「そ、そうか···。」
「いや···さすがグルルの継承者だ。信じていたぞ。」
んん···ま、まあ、仕方がないだろう。
少し納得できないが。
「他にもバフォメットのように、不穏な行動に出ている悪魔がいるかもしれないな。」
「その可能性は否定できないな。」
「ふむ···どうしたものだろうな。」
「気に病んでも仕方がないだろう。すべてをカバーすることなど、不可能に近い。」
確かにその通りだった。
どこで何が起こっているかなど、すべてを把握することは容易ではない。
「···悪魔バフォメットのように、淫欲で支配する者は少ない。そう意味では、まあ···今回の遭遇は、多くの者を救ったと言えるだろう。」
そういう問題か?
まぁ、確かにそうではあるけども。
「何か···悪魔の脅威を察知できる手段があれば良いのだがな···。」
「なかなかに難しい問題だな。」
今は一旦割り切るしかないだろう。
機会があれば、そのあたりの解決策を講じてみる必要があるのだろうが、今の時点では良い解決策が思い浮かばない。
「そうだな···今は考えてもらちが明かないな。みんなの所に戻ろうか。」
他に何か気になるところがないか、周囲を調べた上でみんなと合流することにした。
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