第3章 絆 「悪魔バフォメット④」
なぜ純潔の人間を拐う必要があったのかについては、深く考えないようにした。
何か理由があるのだろうが、想像は想像でしかない。精神衛生上よろしくない想像なら、そこは目をつむっておくに限る。
どんな理由にせよ、悪魔バフォメットの脅威があることは明白なのだから。
「悪魔バフォメットは、実体化しているのか?」
「まだしていない。今は霊的身体の状態だ。」
「エーテルボディ?精神体とは異なるのか?」
「それは···よくわからないな。」
ロビン・グッドフェローには、そういった知識がないようだった。
「アストラルボディは感情を司る動物特有のものだ。エージェント・ワンの持つ異脳の力も、それが基になっている。」
答えたのはクリスだ。
彼は超能力(ESP)を科学的見解で捉える組織内での第一人者でもある。
「エーテルボディというのは?」
「それは知らない。初めて聞いた。」
知らんのかい。
「精霊の生命体のようなものだ。活力体や生気体とも呼ぶ。わずかではあるが人にもそれは備わっているし、グルルの力はエーテルボディによるものだと言えよう。」
アヤが補足してくれた。
「以前に邪神シュテインが目の前に現れた時に、神アトレイクはそれを精神体だと言っていたように思う。神の場合はそうなのか?」
「神という存在は、精神体で構成されている。神力はそこから生じるものであるし、実体化もその力によるものだ。」
「複雑だな。」
「一番複雑なのは人間の構成なのだ。アストラルボディ、エーテルボディなどの多くの無形体、それに肉体といった数多の要素で成り立つ存在なのだからな。」
よくわからんが、そういうことらしい。
「魔力や魔法という概念は何に相当するんだ?」
「魔力は自然の法則だ。それと、魔法というのは、この世界にいる知的生命体が作った術にすぎない。」
だから神は魔力ではなく神力を持ち、魔法ではなく神威術を使うということか。
何となくだが理解ができた。
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