第3章 絆 「悪魔掃討作戦⑨」
「貴様っ!?」
「ほう···魔神ファラフナーズではないか。あれからどうしたかと思えば、このようなところにいたのか。」
その悪魔は、見下すかのような態度で言葉を発してきた。
かつて、自分に洗脳を施したのが、この悪魔だということをファフは忘れてはいない。
「ソルに何をした!?」
「ソル···ああ、この傀儡のことか。ふん、名前などをつけて、愛玩動物にでもするつもりか?あいにくだが、こやつは私の目的のために造った出来損ないなのだがな。」
「ふざけるな。いますぐソルを離せ。」
ファフの怒気の強さが、重く低い声にこめられていた。
「貴様らこそ、何をした?」
「何の話だ?」
「こいつは出来損ないとはいえ、我々悪魔の亜流種だ。だが、記憶を見ようとしても、よくわからない力に阻まれる。そうだな···かつて我々に立ちはだかったグルルのものと似通った力だ。」
悪魔の洗脳とは、指示命令といった投入とは別に、対象の記憶を読み取る算出ができる能力である。
この悪魔は、ソルの記憶を算出しようとしたが、謎の力に弾かれていた。
「そんなことはどうでもいい。ソルを解放しろ。」
ファフは大剣を構えた。
タイガが毎日のように、ソルに竜孔流を施していたことを知っている。
ファフには闘いのための能力昇華という恩恵を与えたものではあるが、ソルに関しては邪気を抑制するための効果が出ていたことも理解をしていた。
『悪魔の洗脳というのは、邪気を対象に流し込むことで、思考をコントロールするものなのかもしれない。そうであれば、四方の守護者に近い状態にしてやれば、それを防げるかもしれない。』
邪気を抑え込むと同時に、二度とソルを悪魔側に引き込まさないための処置になるのではないかというタイガの持論だったのだ。
効果があるのかは確証はないというタイガの言葉ではあったが、今の様子を見る限り、それは正しかったのではないかと思えた。
「出来損ないだけに、私の目的には役立たなかったが、どうやらこいつは盾としては有用なようだな。愚かな人間の情というものは、やはり自らの命を危険に晒すものだ。」
せせら笑いながら、ソルを前に掲げて言葉通りに盾として使おうとする悪魔。
ファフは奥歯をギリギリと噛み締めた。
「外道が···。」
「それは誉め言葉と捉えよう。人間にとっての外道とは、我々悪魔にとっての正道に違いないからな。」
勝ち誇るように嫌な笑みを浮かべた悪魔は、空いている方の手を真っ直ぐにファフやルイーズたちのいる方向に向けた。
「この出来損ないを死なせたくないのであれば、そのまま黙って死ぬが良い。」
悪魔の手に魔力が集まる気配。
「反吐が出るな。」
予想外の位置からの突然の声に反応した悪魔は、そちらに向かってソルを押し投げるようにした。
ドンっ!
重低音が響き、ソルの体から鮮血が飛び散った。
目を見開いたファフが、声の主を視認して愕然とする。
「な···タ···イガ···。」
その目線の先には、銃口から煙の上がるSGー01を構えたタイガがいたのだ。
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