第3章 絆 「悪魔掃討作戦⑧」
「う···。」
息が止まるような苦しさ。
ソルは胸を押さえながら、直感でその場から離れなければならないと感じていた。
喘ぐように息をしながら、壁に手をつき、必死に足を動かそうとした。
その時···
「こんなところにいたのか。」
その声は、無造作にソルの心を抉った。
何度となく耳を打ち、恐怖を植えつけてきた者の声。
振り返ろうとした瞬間、突然首を鷲掴みにされ、ソルはそのまま意識を失った。
ファフが城門にたどり着いた時には、その戦いは雌雄が決していた。
赤く染まった右肩を押さえたビーツを、ルイーズが治療している。
「悪い、遅くなった。」
「いえ、こちらは問題ありません。」
大した被害はなかったようだ。
しかし、倒れているのは1体の悪魔。
「もう1体は?」
「わかりません。ここに来たのは、その悪魔だけです。」
ファフが途中で対峙した悪魔との闘いは、1分にも満たないような短い時間である。
そのわずかな時間で、残る2体の気配を見失ってしまっていた。
いや、正確には、残る1体の存在が感知できなくなっていたと言った方が良いだろう。
タイミングを見計られたのか、ただの偶然かはわからない。
「この悪魔との戦闘は、どのくらいの時間だった?」
「正確ではありませんが···2~3分くらいかと思いますが···。」
ファフの中で、嫌な予感がした。
ソルには宿屋で身を隠すように伝えてあった。
タイガが危惧するように、悪魔がホムンクルスであるソルを見つけた場合、どのような対応に出るかがわからなかったからだ。
強い邪気に曝されると、せっかく抑え込んでいるソルの本質がどうなるのか、悪魔の精神的な干渉がどこまで有効なのかは予測ができなかった。
ファフは魔眼でソルの存在を探ろうとした。
だが、その時に、目の前の空間が歪みを見せる。
そして、そこに現れたのは、ソルの首を鷲掴みにして吊り上げた1体の悪魔だった。
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