第3章 絆 「悪魔掃討作戦⑦」
「来た···3体だ。」
ファフは王都の中央で、魔眼による探知を行っていた。
「方角は?」
「南西位置から、侵入してきている。二手に別れて、それぞれ王城を目指しているように見える。」
「わかりました。我々も城門前で待ち受けます。」
「ああ。俺は、東側から移動している1体を殺る。」
小型の通信用魔道具でルイーズと連絡をとったファフは、全身に力を行き渡らせながら、その場から跳躍する。
タイガとの鍛練により新たに得た内魔功を巡らせ、速度を徐々に増しながら侵入者に肉薄する。
「!」
相手がこちらに気づいたようだが、それを意に介さずに突っ込む。
間合いに入った瞬間、敵は剣を抜いて横凪ぎにしてきた。
「甘い。」
そういったファフの姿は、すでに相手の背後にあった。
ぽんっと、ファフが目の前の背中に手のひらを当てる。
「ぐぉふっ!?」
破裂したかのように、相手の胸から夥しい血が噴き出した。
外魔功。
体内で練り上げた力を、掌の小さな面積に集束させ、相手の体内で展開させる。
内側から爆発したかのような効果は、さながら弾丸の射出口のようだった。
「ふんっ!」
血と共に飛び出した小さな物体を、ファフが背中に備えていた大剣で両断する。
悪魔の核。
凄まじいまでの体内からの圧で飛び出したそれを破壊すると、人の姿をした相手は微動だにせずに地面に突っ伏した。
鍛練の成果で自らが編み出した技。
タイガとの出会いが、ファフをかつて以上の強者に変えた結果だった。
目の前に転がっている悪魔を睨みつけ、絶命していることを魔眼で確認した。
すぐに王城の方角に体を向け、再び跳躍する。
「感謝するぞ、タイガ。」
復讐に血を滾らせていたファフはもういない。
今は、ソルを守ること。
そして、かつて自分が味わったような悲しみを抱く者を、少しでも減らすために戦いたいと決意していた。
鍛練の最中に投げ掛けられたタイガの何気ない言葉が、自身の生きる意味合いを新たに見出だすこととなった。
"生きるということは、活きるということだと、こちらに来てから気づいた。"
"活きる?"
"ああ。何かに生きがいを感じながら、それを実践するという意味だ。"
"生きがい···。"
"人によって、それは異なるのだろうが···俺は最近になって、ようやくそれに気づくことができた。"
「つくづくおもしろい男だよ、あんたは。」
ファフはふっと笑いながら、さらに加速した。
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