第3章 絆 「悪魔王③」
「悪魔王ですか···なるほど。」
「大して驚かないのだな。何か知っておったのか?」
「いえ。ですが、それが目的なら、マーキングストーンやホムンクルスの件に説得力が出てきそうなので。」
「ふむ···闇夜の宝珠を奪うためにということか。」
「もし、悪魔が正面から乗り込んできた場合、闇夜の宝珠はどうするおつもりでしたか?」
「あれが悪魔王の核であるという確証はない。じゃが、そうではないという証拠もない。もし城内にまで攻めこまれた場合は、マルガレーテ嬢に闇夜の宝珠をもって転移してもらうつもりでおった。」
「私がこの国に来たタイミングでの砦の戦いに、マルガレーテが参戦しなかったのは、それが理由ですか?」
「そうだ。万一を考えて、マルガレーテ嬢には王城内で待機してもらっていたのだ。」
実際に、スタンピードが陽動であった可能性は大きい。
そういった事案に備えて、マルガレーテが闇夜の宝珠を守る最後の砦となっていたということか。
「そのような状況で、よくソルを容認してもらえましたね。」
「タイガ殿。余はそなたに絶大な信頼を置いておる。そして、あの少年への措置を間違えれば、そなたがこの国から去ってしまうと恐れてもいる。」
ソルは少女だけどな···とはツッコまなかった。俺も勘違いをしていたからな。
「以前に比べて、戦力は増強されているはずです。確かに、ソルへの措置が気に入らなければ、この国からすぐに出ていくつもりではいましたが、それでも大した影響は出ないでしょう。」
「···それは違う。」
国王の顔に、これまでに見たことがない真剣な表情が現れていた。
「余は少し安心した。タイガ殿でも見えぬものがあるのだとな。」
「見えないもの···ですか?」
「そう···そなたの存在は大きいのだ。戦力的に、というわけだけではない。そなたは、この国に深い楔を打ち付けた。それが無くなった場合、その影響は計り知れないものとなるだろう。」
「·······································。」
ルイーズ達のことを言っているのだと、理解はしていた。いや、もしかすると、マルガレーテやファフの存在も、この中に入っているのかもしれなかった。
だが、非常時だからこその発言であると俺は理解するようにした。
悪魔に対抗すべき間は、それで構わない。
それが終われば、とどまるつもりはないのだから。
それにしても···ショタと呼ばれて喜んでいる御仁だとばかり思っていたが、国王らしきところもちゃんと持ち合わせていて何よりだ。
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