第3章 絆 「悪魔王①」
「急に呼び出して申し訳ない。」
「いえ、問題はございません。」
翌日、国王から招聘された俺は、すぐに王城を訪れた。
待たされることもなく昨日の部屋に通されると、そこには国王とスティンベラー、そしてマルガレーテとルイーズ&ビーツ兄弟が待機していた。
「昨日は話を濁すような真似をしてすまなかった。一晩協議を重ねた結果、そなたらに伝えておくべきだとの結論が出た。」
「悪魔が狙っているもののことでしょうか?」
「うむ···実はな、この城の地下には歴史的な遺物が数多く保管されておる。内容としては、美術品の類いではなく、一般公開ができないような代物ばかりじゃ。」
歴史的な遺物とは、美術品はもちろんのこと、史実を裏づけるような貴重な品なども多い。
そういったものの中でも、調査が未完のものであったり、現在の良識的な側面から黙殺されるようなものも存在するのが常である。
「例えば、どのようなものでしょうか?」
好奇心からではなく、話の本題へと迅速に進んで欲しいと遠回しに言ってみた···言ったつもりだ。
「そうだのぉ···例えば、余の先祖が愛用していた夜の玩具とか、一人前のアレにするためのソレだとか···。」
真剣な表情で話す国王に、悪意がないのはわかっていた。
わかってはいたが···真綿で首を絞めたい衝動が走る。
「··················································。」
傍にいるマルガレーテのこめかみが、ピクピクと痙攣しているのが見えた。
わかる。
わかるぞ。
たぶん、彼女も同じ思いに駆られ、目の前のショタを殴ってやりたいと思っていることだろう。
反対側にいるルイーズもため息を吐き、やれやれといった表情だ。
時代が時代なら、セクハラで吊し上げられる内容に違いない。
唯一、その隣にいるビーツは、なぜか目をキラキラとさせているが、それは見なかったことにした方が良いだろう。
「···なかなか興味深い物も多いのだ。ああ、それにアレもあったな。何度果てても、すぐに回復する秘伝の····。」
···スティンベラーに、そろそろやめさせるように視線を送った。
だが、帰ってきたのは、「無理。」という弱々しい目線だけだった。
さすがに、立場的に得意気に話す国王はとめられないか···。
いや、早くとめろよ。
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