第3章 絆 「悪魔を支配する者⑲」
「悪魔が狙う何かだと?」
「ええ。城内か王都のどこかに、そういったものがあるか、あると思われているのじゃないかと思うのですが。」
「う···む···。」
推測の域を出ないが、状況を考えると可能性は低くはないと思えた。
その事を口にしてみたのだが、国王やスティンベラーの反応を見て、それが間違いではないと直感した。
嘘が下手だと言うよりは、それそのものが悪魔の目的だと考えると、非常にマズい事態となるといった様子だった。
「本当に悪魔の狙いがあれだとすれば、これは相当に厄介なことになるやもしれぬ···。」
これまで飄々としていた国王が、こめかみから汗を流していた。
「あるのですか?そういったものが。」
「···考えられるのは一つだけだ。しかし···。」
結局、それが何であるかは、その場では話してはもらえなかった。
スティンベラーは、その表情を見る限り、それが何であるかに気がついているようだ。
だが、マルガレーテは初めて聞いたという表情をしている。立場を考えると、その存在を知らないということには疑問が生じるが、彼女もまた公爵家の人間であるということを思えば、秘匿されていたとしてもおかしくはないものなのかもしれない。
「これ···すごく美味しいよ。」
「そうか。おかわりならまだあるぞ。」
謁見が終わった俺は、王城からそれほど離れてはいない宿泊施設にいた。
両公爵家から招待を受けてはいたが、ファフやソルが一緒にいるので丁重に断り、スティンベラーの手配してくれた宿に滞在をすることになったのだ。
さすがに悪魔や魔神を王城内に滞在させるとなると許可がおりるはずもないのだが、気軽に羽を伸ばせるわけでもないので、結果的にはこちらの方が良かった。
宿泊施設は他国からの要人や、有力な商人が利用するような上質なもののようで、セキュリティを始め、設備やサービスも行き届いたものだ。
俺たちが利用している部屋も、個室が3つあり、キッチンや浴室などの設備も設けられた5つ星ホテルのスウィートルームといった様相だった。
ソルと対面したファフは、彼の生きてきた環境を聞いてなのか、悪魔に対する態度ではなく、まるで姉のように振る舞っている。
本質が悪魔とは言え、ソルにはエルフとしての血が強く出ており、端からみても外見上の区別はつきにくい。
しかし、それは一般的な見解で、自由に街を動き回って聖属性魔法士などに目をつけられる恐れがないとは言えないため、部屋で食事を取ろうということになった。
意外なことに、テーブルにある料理を調理したのはファフなのである。
彼女はもともとが料理好きで、「腕がなまるから、料理をさせてくれ。」と言ってきたのだ。
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