第3章 絆 「悪魔を支配する者⑱」
「ところで、ショタ王陛下。」
「「「ぶっ!?」」」
悪のりで国王を呼んでみたら、マルガレーテやファフ達が吹き出した。
マルガレーテは笑いを堪えているようだが、ファフとソルは俺をヤバい奴を見る目で見ているようだ。
···おふざけはこのくらいにしておこう。
「何かな?」
「ソルへのご対応、痛み入ります。それと、悪魔について警戒すべき事柄についてですが···。」
「マーキングストーンのことかな?」
「はい。」
悪魔の神殿にあったマーキングストーンについては、俺がすでに取り外してスティンベラーに預けていた。
王都内に同様のものがないかを、早急に調査すべきだという進言もしている。
ただ、もしすでに仕掛けられているのだとしたら、今この時点でこんな悠長なことはしていない。
ソルの話では、ホムンクルスとして悪魔の傀儡となっている個体数は極めて少なく、まだ完全体とは言い難いというのもある。
それに、それが実用段階にあるのであれば、数日前にわざわざ悪魔が出向いてくる必要性が感じられない。
「その点については、余の方で騎士団に調査依頼を出しておる。城内、そして王都内を早急にしらみ潰しに探させるように手配済みだ。」
「迅速なご手配、さすがです。」
「うむ。しかし、そのような手段を使って、悪魔は何をしようとしているのだろうか。奴らなら、強襲をかければ、それほど労せずに一国を落とせるだけの力があるのではないか?ここにいる者たちの対抗力に慎重になっているということかの。」
確かに、俺だけではなくマルガレーテやファフ、ルイーズやビーツといったメンバーが揃っていれば、例え強力な悪魔とはいえ、簡単には陥落はできないかもしれない。
ただし、それは狭い範囲に限られると言って良いだろう。
王城や、まして王都の全域に至るまでカバーをすることは不可能だ。
そう考えれば、悪魔はただ王都内の人間を殲滅したいというわけではないのだろう。
それに、ホムンクルスやマーキングストーンが、ここ数日の間に準備をされたものではないことは明白だ。
「単純に、王都を陥落させることが目的ではないということでしょう。何が目的かは定かではありませんが、今一度、悪魔の目的を絞りこんだ方が良いかと思われます。」
俺には、奴らの目的が何であるかの目星はつきそうもなかった。
順当に考えれば、この王都、もしくは城内に何かがあると思った方がいい。
悪魔にとって重要な何かが···。
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