第3章 絆 「悪魔を支配する者⑰」
「タイガ···少し良いか?」
国王とスティンベラーが話をしている間に、ファフが身を寄せてきた。
「どうした?」
「この国の国王が変態だとは知らなかった。」
···悪い予感が的中した。
チラっとソルを見てみたが、汚ない物を見る目で国王を睨んでいる。
こちらの世界にはショタという言葉はないのだと、勝手に思い込んでいた。
「ショタという言葉のことを言っているのか?」
国王やスティンベラーには聞こえないように、壁際に2人を連れて行き、その辺りの確認をすることにした。
「そうだ。まさか国を治める者が、ショタの王だとは···。」
「···ショタの意味を聞いても良いか?」
「···タイガは意味を知らないのか?」
「いや、知ってはいるが、地域によって意味が異なる場合があるだろう?念のために照合しておきたい。」
「まあ、それもそうだな。」
ファフから聞いたショタの意味は、俺の認識と寸分の狂いもなかった。ソルもファフの説明にうんうんと頷いている。
因みに、途中から音もなく近づいてきたマルガレーテが聞き耳を立てていたので彼女にも確認をしてみたのだが、不幸中の幸いと言うべきか、国内ではこれまでに使われることのなかった言葉のようだ。
「あの国王陛下はノーマルだ。たぶん···。」
「それなのに、ショタ王と呼ばれているのか?」
さすがに国王の威信や信頼に関わるので、俺は擁護することにした。
「実はな···。」
国王が俺のラストネームを呼ぶ時に、どうしてもショタとしか発音ができなかったことが発端で、意趣返しにショタの呼称を栄誉あるものとして広げてやろうと試みたことを話した。
ファフとソルは目を点にし、マルガレーテは「ぷっ!」と吹き出している。
「···タイガ、ショタという言葉はこの国では使われないものかもしれないが、俺の故郷やソルが育った場所では少年同士という意味だ。それを自称する中年は、少年愛好家として蔑視されるものなんだが···。」
ファフが先程の説明を繰り返した。
「そうだな···。」
さすがにマズいか?
ショタの意味を知る他国の要人との会合で、「余はショタ王だ!」とのたまわった場合、戦争になったりするだろうか···。
いや、「この王は変態か!?」くらいにしか思われないか。
······································。
まあ、良い。
面倒だし、そのまま放置することにした。
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