第3章 絆 「悪魔を支配する者⑭」
ソルと魂の盟約を交わした。
彼自身の性質を考えれば、悪魔からの横やりさえ封じることで、人間社会での生活は可能であると思っていた。
だが、悪魔であるということは、誰しもが気づかないわけではない。
四方の守護者から加護を授かった者、聖属性魔法士や神に献身的な祈りを捧げる者にとっては、違和感を与えると考えた方が良い。
それを前提とするならば、最初から俺の管理下にあると伝えておく方が問題も生じにくいはずだ。
加えて、ファフと同じように魂の盟約を結ぶことで、口先だけのものよりも説得力を持たせることになる。
万一、ソルを疑う者が出た場合は、俺も含めて敵に回すという意味合いも理解ができるだろう。
そういった経緯で、ソルとは厳格な盟約を結ぶことにした。
俺と敵対しないこと。
敵意のない人間に対して、力を行使しないこと。
人間社会で円滑な関係を築くために、日々努力を怠らないこと。
この点さえ遵守すれば、俺はソルに対しての支援や守護を最大限に行うことを盟約に取り入れている。
庇護下に入れるのではない。
彼には、自身の意志で人間としての自立を促す。
そうでなければ、強要されているのと何ら代わりはないからだ。
自らの意志が強ければ、悪魔としての本質が出ることはないはずだと思っていた。下手に制限や抑圧をかけると、それは精神的な負荷を蓄積させてしまう。
コップから水が溢れるように、精神的な負荷が許容範囲を超えてしまうと、それは大きな歪みとして悲劇を生む。
自らの意志で立ち、迷いや弱味を相談できる環境を作らなければ、ソルの破綻は大きな波紋となってしまうからだ。
「僕も···タイガと一緒に戦うよ。」
「ありがとう。だが、まずはおまえのことを人間社会で容認させることが先だ。生活環境を整えて気持ちに余裕ができてから、それについては結論をだせば良い。」
戦力としては、潜在的な力だけでは乏しいと言っても良いだろう。経験や知識を積み、ある程度の実力を持つようになってから判断をさせなければならない。
精神的な余裕がない状態で、悪魔との戦闘行為に至ると、彼の中にある本質が暴走する可能性もないとは言えないからだ。
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