くれないのシャケ
※ この作品は[くだらない描写]で構成されています。苦手なかたはご注意ください。
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シャケ。
キミはなんてしょっぱいんだ。
僕の涙も負けないぞ。
キミになんか、絶対負けないぞ。
サーモンレッドがきれいだねって言おうとしたんだ。
サーモンピンクでもいい、なんでもよかった。
でも、僕はニッポンダンジだ。
そうそう簡単に、外国語が出てこなかった。
……ちゃんとした日本男児に謝れって?
それはほんとごめん。
日本人であることを言い訳にしました。
でも聞いてるのはキミしかいない。
シャケを前に謝ったってなんだっていうんだ。
マスノスケでもないくせに。
ニジマスのくせに。
って、なんで和名だとニジマスのほうがかっこいいんだよ。
※ 個人の感想です。
とにかく、
こちとら、貴様のせいで……
……こんなに真っ赤になって、一人称も二人称も変わっちまって……
とにかくだ、貴様のせいで、俺ぁ、フラれたんだぞ。
「は? シャケカラーがきれいだねって、ナメてんの?」
って言われて、
貴様のせいでこんなに真っ赤に、腫れあがったんだぞぉっ。
てんめえのおかげでなあっ。
って、今気づいたけど、
なんでカラーって、そこだけイングリッシが出てくんだよ、
僕のばかぁあああっ。
***
ねえ、もうキミ、冷めちゃったよね。
美味しくないよね。
ごめんね、八つ当たりして。
ゴミ箱入れるね……
いや、やっぱり、
せめて責任持って、最後まで食すね。
……くれないの秋、だもんね。
ん、どうした、ミケ。
いつもは釣れない、オスマシにゃんこ。
……慰めてくれてるのか……。
うん、ミケ。
あげないよ。
しょっぱいからね。
あげないよ、シャケ。
……どうせなら、ベニジャケにしときゃよかったな。
くれないの、シャケ。