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理想の彼女なんているわけねーだろ!  作者: 八岐大蛇
第1章 へるぷみー
5/7

第4話 おや、こんな時間に誰だろう……

時計の短針が10のところを指した。

そろそろ二時間目が始まる頃だろうか。


俺はいま家のベッドで寝ている。

平日の昼間にベッドで寝ている理由なんてあんまりない。

そう、俺は風邪をひいたのだ。


……順を追って説明しよう。





「あなたの事が、好きってこと」


「だから、私と、」


「付き合って、くれませんか?」


付き合って?つまり、

「それは、告白ってこと?」


彼女は顔を赤くして頷いた。


……なんて答えればいいのか全く分からない。

正直、こんな状況でかっこいい言葉を言える奴なんていないと思う。でも、何か言わなくては。俺の中の何かが叫んでる。


そう、答えないと、


「俺みたいな、俺みたいなカッコ悪いやつを好きになってくれるなんて、思ってもなかった」

「や、矢凪くんは!カッコ悪くなんか、ない……」

口に出てた。


でも、今ので俺の腹は決まった。

ちゃんと答えなくちゃな。

折角顔を真っ赤にしてまで告白してくれたんだから。


「こちらこそ、よろしく」


その後、俺達はメールアドレスを交換し、帰路についた。


彼女は真っ直ぐ帰ったらしいが(当然だ)、俺は告白という実感が後から湧いてきて、何故か全速力で走りたくなった。そのまま土手で足を滑らせ、川に落ちた。

別に泳げない訳ではなかったのですぐに上がることは出来たが、川に落ちたのだ。当然俺はびしょ濡れのまま帰った。その時一緒に頭も冷えた。


家に着いた後、すぐにシャワーを浴びて着替えたのだが、朝起きたら身体がだるかった。37.8度だった。



……メールが来た。もちろん雅からだ。

見たくねー……。


「なんで休んだの」


素直に答えるべきだろうか……


ピロン

うおっ、またきた。


「昨日答えたのは嘘だったの?どうせ私のことをからかっているんでしょう?そんな事だってすぐに分かったわ。ちょっと待っててね。今すぐ矢凪くんを殺して私も死ぬわ。」


俺の彼女もしかして病んでる?

つか文字打つの早。


と、とりあえず返信しないと。


ピロン

えっまたっ?


「矢凪くんの家の場所教えて」


……前から思ってたけどやっぱちょっと抜けてるな。


「別にお前のことが嫌いで休んだんじゃないんだ。風邪を引いちゃったんだよ。多分明日は行けると思うから。ほんとにごめん」


「分かった。でも、明日来なかったらほんとに殺すからね。」


こわー……

ま、まあ大丈夫だろう。


これからもう一回寝るか。

雅のために全力で治さなくちゃな。



あと、死にたくねーしな……

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