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理想の彼女なんているわけねーだろ!  作者: 八岐大蛇
第1章 へるぷみー
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第2話 外堀埋め作戦

  時間は待ってはくれず、もう昼休みである。さて、

「俊介君?一緒に食堂に行こうか。少し話したいことがあるんだ」

「お、オレ、今日は購買の気分なんだー!」

「じゃあ俺も購買にしよう。さて、話したいことが」

「や、やっぱ学食にしようかなー!」

「俊介くん?」

「は、はい」

「来てくれるよね?」

「……はい」


  この学校の学食はそこそこ美味しいと評判である。そして案外種類も多いため、いつもそれなりに混んでいる。


  俺はカツカレーを頼み、俊介はラーメンを頼んだ。

「……お前ラーメン好きだよな」

「おう!好きだぜ!逆に、嫌いなお前の気が知れねぇよ」

「あの脂っこいのがなんか……駄目なんだよな」

「そういうお前はカツカレーばっか食ってるよな。」

「悪いか?」

「いや、カレーなんてみんな一緒じゃね?」

「……はぁ」

「おいなんだその冷たい目!」

「ほら飯来たぞ」

「話を流そうとすんな!」


  俺達はあまり話を聞かれにくい端の方の席に座った。別に誰かに聞かれて減る様な話ではないが、聞かれたくない話であることに変わりは無かった。

「でだ。俺はお前の尻拭いなんてゴメンなんだ」

「ああ」

「そんで呼ばれた俺は行かなきゃいけない」

「うん」

「だけど主犯はお前だ」

「……はい」

「お前も来るよな?」

「やだ」

「……」

「……」

  イラッ

「テメェぶん殴るぞ!?」

「だって怖いんだもん!」

「キメェんだよ!いいから来やがれ!」

「やだよ!つか呼ばれたのはお前じゃん!オレじゃねーしー!」

「いい加減にしろ!俺だって一人で行きたくねーよ!だからお前も……」

  その時テーブルに小さな影が差した。そこに居たのは、

「……」

  随分と冷たい目をした(みやび)だった。彼女は俊介を、汚物でも見ているかの様な目をして見下していた。

  まずいッ!聞かれてたかッ!?

「……青髪のチャラ男は、……呼んでない。」

「「……」」

  え?

  訳が分からず俺達が狼狽(うろた)えていると、彼女は今度はこちらに向いた。

「……」

  だが何も話さず、やはり少しだけ頬を赤らめ、すぐにどこかへ行ってしまった。

「……」

「……ほ、ほらな言ったろ!?オレは呼ばれてねーんだって!」

  俺だけ?何故だ?からかったのは俊介だぞ?理不尽すぎやしないか?はっ!もしかして勘違いをしているのか!?

  ふと目線を下げると、カツカレーは冷めきってしまっていた。


  なんかあいつの目線に似てんな……

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