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説明


 俺は剣士になった。


 もちろん最初は、あの女性に憧れて槍を練習した。ただ、いくら練習しても体に馴染む感じがしなくて諦めた。

 次に男性が使っていた投げナイフにも挑戦したけどダメだった。


 他にも弓や斧など色々試したけど、結果はどれも同じ。


 ただその中でも唯一使えそうに感じたのが剣だった。


そしてそれ以降は身体と剣の鍛練に励んだ。



 ただ…俺は根本的な勘違いをしていたみたいだ。



 さっきまでとまるで感覚が違う。


 剣の振り方にしろ、盾での身の守り方にしても自己流だけど磨いてきた。



 それが職業に就いた瞬間、今までよりもっと効果的で効率の良い体の動かし方のヒントを直接叩き込まれた感じだ。


 そう…身体的な訓練だけで良かったんだ。


 全くの無駄じゃないとは思うけど、自己流を磨くのはここから先の話で、

自分が使う武器の基本はここで叩き込んでもらえたんだ。






 そして俺が今、自分に起きた現象を理解し興奮している横ではエドの登録も始まったようだ。


 俺の時と同じで、体を白い光で包まれたと思ったらその光が弾けとんだ。


 いったいどの職に就いたんだろう?


 訓練に付き合ってもらっていた時は、悔しいけどどの武器も俺より使いこなしていた気がする。


 今となってはそこに意味があったのかはわからないけどこいつなら何をやらせても凄い冒険者になりそうだ。


 俺は我慢できずに




『いったいなんの職に』




 就いたのか聞こうとすると、無言で俺に向かって手を伸ばし言葉を遮った。

 そして腕を組んで目を閉じ何かを考えているようだ。



 あれ?何か失敗したのか?


 と俺も無言でエドを見ていると、組んでいた片方の腕の掌を上に向けそこをみた瞬間…小さいながらも真っ赤な炎が出ていた。




『って…えええええええ!そ…それなんだよ!

エドお前いったい何の職に就いたんだよ!』




 完全に予想外で

まぁそもそも何も予想できてないんだけど、それにしてもさすがに驚いた。


 そんな俺とは対称的に




『何をそんなに驚いているんだ?

たかだか小さな火を出しただけだろ?』

『いやいやいや、だから何で火が出るんだよ』

『さっきから何を言っているんだ?火の出せない魔法使いなんてただの人だろ。』




 魔法使い…成る程そうきたか…。

 確かにエドに似合う気がするな…。




『しかし…これは凄いな。俺の知らない知識が一気に頭に入ってきた。

何とか火を出す方法はわかったが…面白い。』




 と不敵な笑みを俺に向けるエド。


 そんなやりとりを見ていたミーナさんが




『エドワードさん凄いですよ!火の魔法は確かに初歩的な魔法ですけど、登録完了と同時に火を出す方はそうそういませんよ!』

『そうなんですか?』

『そうですよ!普通数日は知識の理解に努めてやっと火を出せる人が大半なのに!』




 などと俺の目の前で美男美女がそんなやり取りをしている。


 なんだろう…

べ…別に悔しくないけど俺もここで剣を振ってみようかな…





 うん…絶対に怒られるからやっぱり止めておこう。


 でも何故エドは魔法使いを選んだんだろ?




『なぁエド、何でその職にしたんだ?』




 疑問に思ったのでストレートに聞いてみた。




『ん?どうせ誰かさんは、何も考えずに敵に突っ込んで行くだろうから、後方から支援できる職に就くつもりだっただけだ。』




 反論できそうにない理由だった…




『ただ…魔法使いは俺も最初は考えてなかったな。』『え?それはどういう事なんだ?』

『そもそも職業に何があるなんて知らなかっただろ。』




 言われてみれば俺もさっきのリストを見て種類の多さに驚いたからな。




『弓か投げナイフを使うつもりだったがリストを見て…あとは直感だな。

俺にはこっちの方が良いんじゃないかってな。』



 直感かよ…。


 でも言われてみればエドに合ってる気がする。


 俺の支援云々って話は一旦置いといて…

昔から頭の良さと気になった事への探求心は凄いなと、何度感心させられたか。

 これが性格による適正なら、あの大雑把な判別もあながち間違っちゃいないのかも。



 とにかくこれで俺達二人とも今日から正式な冒険者だ!




『それでは最後にこちらをお渡ししますね。』




 とミーナさんは俺達二人にチェーンの付いた掌ぐらいの大きさの四角いプレートを差し出した。


 名前…職業…ギルド?…所持金0G?

裏面にはクエスト?とだけ書かれている。




『ご説明致します。

それは冒険者カードと言い皆様の身元を証明するものです。

名前と職業はその通りです。ギルドに関してはまた後日、お二人が冒険者としての生活に慣れた時にご説明させていただきます。』



 ギルド…?

横でエドも何か考えているようだけどミーナさんが今は必要ないと言うならきっとそうなんだろう!




『そして所持金と書かれている部分は、お手持ちのお金が増えて手に持てないなどの不都合がないよう協会で責任をもってお金をお預りできるようになってます。今現在ご自分が協会にいくら預けてるのか一目でわかるのがその所持金の欄になります。』




 なるほど。確かに大金を持ってウロウロはできないし自分の家がない俺達じゃ安全に保管する場所もないな。確かにこれは便利だ。



『お金は各街にある冒険者協会でしたらどの街でも引き出すことが可能です。

あと全てのお店では御座いませんがそのカードで直接お買い物もできるようになってますよ。』




 それは凄く便利!

高い物を買う時も大金を手に持ってビクビクしないでも買えるのはありがたい!



『あと裏面には協会から受注したクエストが表記されますので自分が何のクエストを受けたかの確認は裏面をご覧ください。』




 クエスト?さすがにこれは聞かないとダメだよな。



『すいません。クエストって?』

『これは失礼しました。分かりやすく言うと依頼ですね。◯◯を採取してきてほしいとか、◯◯まで護衛してほしいとか、◯◯を討伐してほしいなど多種多様ございます。これは協会の壁にあるボードに貼り出されてますので気になるクエストがございましたらお気軽に受付へお申し付けください。他に何かございませんか?』



 俺からはこれ以上思い付きそうにないのでエドを見た。俺の意思が伝わったようで




『俺からも質問良いですか?ギルドというものが多少気にはなるのですが、受付の貴女が今の俺達にはまだ必要ないとおっしゃるならあえて聞かないでおきます。それよりも基本的な事かもしれませんが冒険者でどうやってお金を得るのですか?協会に預ける程の大金を手にするにしても現時点で全く方法がわからないのですが?』

『重ね重ね説明不足で申し訳ございません。各クエストには成功報酬が御座いまして条件を無事達成されればその金額をお支払いたします。あとは魔物を討伐するとお渡しした冒険者カードに自動で記録されます。種類や数で金額は異なりますので討伐した際はこちらの受付までカードをお持ちになって下さい。』

『なるほど。まずはクエストをこなしつつ少しずつでも魔物を討伐しろってことか。』

『そうですね。あとは魔物の中には武器などに使われる素材、爪や角、鱗など高額で取引される物も御座います。さすがに量が多すぎるのでご説明できませんのでそれに関してはご自分達で調べていただけますか。』

『了解しました。俺からの質問は以上です。』




 それ大事!


 まずは簡単そうなクエストを受けてみよう。


 強くなりたいし討伐系をやるべきかな!




『それでは以上で登録手続きは終了です。何かお困りになりましたらいつでも聞きに要らしてくださいね。』




 と最高の笑顔を俺達に向けてくれた。



 ヤバい!今すぐにクエストを受けてみたい。

 逸る気持ちをとりあえず抑え




『はい!色々ありがとうございました!これからよろしくお願いします!』




 と俺達はミーナさんに頭を下げた。


 そして椅子から立ち上がり勢いよく部屋を出ようとしたが、エドから溜め息と共に




『どうせ今からクエストとか言うんだろ?

だがその前に冒険者としてではなく、この街の住人として最低限の宿・食事処、それと冒険に必要な武器防具・道具の購入場所を聞かずにどうする気だ…。』







 俺は再びミーナさんの前に座った…

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