終人
「出ろ」
朝8時前くらいだろうか
部屋の扉が開かれた
俺は男に連れられ部屋を出る
昨晩の食事の後何となく予感はしていたので
身支度は済んでいた
連れられた先は小部屋だった
100枚はあるだろう原稿用紙と
ペンがおいてある
「家族や友人に伝えたいことがあるなら、いくらでもかけ」
特に思い当たらなかった俺は
家族宛の原稿用紙に大きく
『愛してる』
とだけ書いた
それを提出すると次に連れてこられたのは
非常に立派な祭壇のある部屋だった
色とりどりの装飾が施され
その祭壇の台にご飯や肉、魚、果物などが供えられてた
見た事のないそれはそれは豪華な食事だ
するとそこに坊主が現れた
「そこに飾ってあるものは全て貴方のものだ。好きなだけ食べなさい……」
そう告げられた俺は
朝飯を食っておらず腹が減っていたので
これまでにないほど食べた
その間坊主は何やら経を唱え続けていた
腹も膨れた所でまた部屋の移動だ
その部屋が最期の部屋なのはひと目でわかった
俺はその部屋で服を着替えた
白いヒラヒラの服に帯をまく
白装束と言うのか?
わからんがそれに着替えた
ふと、部屋の済に鏡がある
見ると自分の顔は非常に清々しい顔となっていた
俺は首元を直し大きく深呼吸をした
何故こんなにも晴れやかな気持ちなのか分からなかったが
それももうどうでもいい事
ゆっくり目を閉じる
「執行」
そう聞こえた瞬間
足場が開き
俺は