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プロローグ:そして始まる森の賢者の娘の冒険

 このあらゆる生物が魔力を持つ、あらゆるものに魔力が宿る世界において様々な種族が生きている。

 ハイエルフ、エルフ、竜族、獣人、人間がこの世界には居る。

 中でもとりわけ有名なのはハイエルフと呼ばれる長寿で、膨大な魔力を持つ種族だ。今、世界で確認されているハイエルフはたったの三人。

 世界最高峰の魔術知識を持ち、博識な『森の賢者』セイナ。

 過去に『悪魔』と呼ばれたフランツ。

 エルフ族の祖にして、『守護神』アキヒサ。

 その三人だ。

 セイナとフランツは聖地アウグスヌスの森から出てくる事はなく、誰もがその存在は知っていても出会う事はかなわない存在である。

 もう一人のハイエルフであるアキヒサはエルフたちの始祖であり、エルフの里に住まっているため、まだセイナやフランツに比べて人の世界にかかわっているハイエルフであった。

 そして、実はもう一人、世界は認識していないがハイエルフと呼ばれる存在が居る。

 それは――――、セイナとフランツの娘であり、聖地アウグスヌスの森から一度も出た事のないハイエルフの少女アレイシアである。

 今年100歳(ハイエルフとしては子供)になるアレイシアはアウグスヌスの森の外の世界を見たいと望んだ。母親に反対されていたものの、ようやく許可をもらう事が出来た。

 「いい? 外に行くんだったら下手な権力者にかかわっちゃだめよ。利用しようっていう馬鹿はいつの時代にもいるんだから。一つの国の味方をするというより、一つの国だけと関わっていくこともやめなさい。貴方は私とフランツの子供で、ハイエルフなんだから。一つの国にアレイシアが味方をしているって事実だけでも他国への脅し材料になるのよ」

 外の世界へと飛び出す娘に、『森の賢者』が告げた言葉はそれである。

 「それでもし貴方が自分の意志で権力者と関わったり、人と仲良くするっていうなら私は何も言わないわ。でも、行きすぎた行為をしたら叱りに行くから覚悟しておきなさい」

 「はーい」

 母娘の別れの言葉はそんなものであった。

 「それとアレイシアと仲良しな精霊も一匹つけとくから何かあったら頼りなさい」

 そんな『森の賢者』の言葉によってつけられた一匹の精霊と『森の賢者の娘』の冒険は始まる。




 ただし、

 「うーん、何処に行こうかな。どこに行けばいいかな」

 なんて目的も決まっていない、何処までも前途多難な冒険であるわけだが。





 ――――そして始まる『森の賢者の娘』の冒険。





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