「王の花嫁」 die koenigsbraut ETA ホフマン原作 野菜の王様メールヒェン ダイジェスト版
前書
ドイツロマン派の作家、ホフマンに「王の花嫁」1821年作というメールヒェンがある。
といってもマイナーな作品であるから、たとえホフマンを知っている人でも恐らくこの作品は読んだことがないという人がほとんどだろう。
一般的にはホフマンはあのオッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」の原作者。
はたまた、チャイコフスキーのバレー『くるみ割り人形」の原作者
あるいはバレー「コッペリア」の原作者くらいとしか知られていないだろう。?
この「王の花嫁」はモンフォーコンドビラール作、17世紀のカバラ小説「ガバリス伯爵」からヒントを得て創作された実に愉快な、野菜王国メールヒェン?である。
野菜が主人公のメールヒェンの走りではないだろうか?
恐らくこれ以前に野菜が擬人化?されて展開する物語は見かけないと思われる。
さて、、
お話の内容はこんな風に始まる。
私のあらすじ物語でどうぞ、、、、。
「王の花嫁」 あらすじガイド版
マイン川に面したダプズルハイムの古城に城主ダプズルフォンツアベルタウが娘のエンヒェンと住んでいる。城主は遠くインドやエジプトに旅して魔法の奥義を窮めて帰ってきて以来
城に閉じこもって日々
その研究にいそしんでいるというホフマン文学に良く登場する一風変わった人物。
娘のエンヒェンは田舎娘ではあるが色白の可愛い娘、母はエンヒェンを産むとすぐなくなってしまい、
今はこの気難しい父との二人暮らし。エンヒェンが独りで広大な農園を管理している状態。
さてそんなある日エンヒェンは農園に出向くとそこのにんじん畑で実に見事なにんじんを引き抜く。
するとその根になんとトパーズの指輪がはまっていたのである。
エンヒェンは思わずその見事なトパーズの指輪を自分の指にはめてしまう。
するとにんじんはすーっと消えてしまうのだった。
そして父にその指輪を見せると父の表情がさっと変わるのだった。
そしてこんな話をエンヒェンにしだすのだった。
この指輪は実は地中の精の王、ダウクスカロータコルドイアプンツエ(にんじん王)がアンナ(エンヒェンのこと)と
結ばれるために送った婚約指輪だというのだ。
ダプズルフォンツアベルタウは娘のこの不吉な指輪を指から抜こうとするが決して抜けない。
そこで鑢を取り出して指輪を切り取ろうとするのだった、
しかし「お父さん私のゆびをきっているわ」というエンヒェンの言うとおり、
指輪を切ろうとすると、ゆびからは血が滴り落ちるのだった。
父は絶望して「嗚呼もう駄目だ怒った地の精がすぐ現れるだろう、
風の精がオレを助けてくれなければ
オレののどを噛みきるだろう。アンナ、アンナさあ、早く逃げるんだ。」
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物語はこれから佳境に入るのだが、さて続きは原作をお読みください、ではあまりに切ない?
物語の筋を追うのはあまり気が進まないが恐らくこのマイナーな原作を読むことも出来ない方々が
100パーセントだと思うので続けたい。
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やがて、エンヒェンのもとに家臣ともどもを従えた、華麗な行列をしつらえたダウクスカロータコルドイアプンツエ(にんじん王)が現れる。エンヒェンを花嫁として迎えに来たのだった。
そして野菜畑を潰してそこに絹の天幕を張った仮宮殿を建てるのだった。
このにんじん王、見かけはというと、もうしっちゃかめっちゃかで
ずんぐりむっくりの奇怪な相貌である。当然エンヒェンも怖がって恐れるばかり。
しかしある日、にんじん王が天幕に誘って我が宮殿を見せるというのである。
いやいや天幕に入ってみるとどうだろう?
そこはまさに野菜の楽園、丸々と太ったにんじんやカブ、野菜がたわわに実る楽園である。
エンヒェンも今はすっかり気に入って野菜王の姫君になる自分を喜ぶようになるのだった。
そして遠く大学に通う元恋人の大学生のこともすっかり忘れてしまうのであった。
ところが、ある日父が有頂天になっているエンヒェンに気付き、ダウクスカロータコルドイアプンツエ(にんじん王)の本当の姿を見せてやるというのだった。
父は、魔法を使ってエンヒェンのめくらましを解き、天幕に入ってみるとそこはどうだろう。
汚い沼地が永遠に続き、大きな蛆虫が這い回り、カブトムシや、ナメクジが這い回り。
奇怪な顔をしたたまねぎ人間がニターッと笑っているのである。
エンヒェンはその真実の国の姿を見てゾッとするのだった。
さらに物語りは錯綜して展開していくのであるが、少々先を急ごう。
結末はエンヒェンの急をきいて駆けつけてきた恋人大学生のにんじん王を称える歌(詩)がなんと奇しくも魔法の呪文と偶然に一致していて、その歌を聴いたにんじん王は腹痛を起こして地中に消えていってしまうのである。
そしてあれほど抜けなかった指輪もするりと抜けて地中に消えていくのであった、
エンヒェンののろいも解けて、大学生とエンヒェンは結ばれるのでした。
めでたしめでたし。
ざっとこんなお話である。
どうだろう?
めずらしいお話何処にもないメールヒェンではなかろうか?
こんなメルヘン聞いたことない。
ありえないホフマンらしいメルヘンである。