表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/58

第45話|条件を整える

 ギルドを出たあと、

 ユウトは森へ向かわなかった。


 真っ直ぐ、宿へ戻る。


《神観測ストリーム》


[今日も暇な女神]『え、今から行かないの?』

[戦術屋ヘルメス]『即再突入も手ではある』

[慎重派の神]『今日はやめとけ』

[300年ROM専]『……落ち着け』


 部屋に入り、装備を外す。

 剣を置き、革鎧の留め具を緩める。


 刃こぼれは小さい。

 消耗はあるが、動ける。


「すぐ行かないんだね」


 セラの言葉に、ユウトは頷いた。


「今行く理由がない」


《神観測ストリーム》


[観測者アレス]『衝動を抑えたな』

[今日も暇な女神]『冷静すぎて逆に怖い』


 机に紙を広げ、

 簡単な線を引く。


 森の入口。

 昨日の位置。

 動いた方向。


 正確さはいらない。

 考えを固定するための線だ。


《神観測ストリーム》


[地形厨ヘカトン]『その線引き、分かりやすい』

[戦術屋ヘルメス]『再現性ある配置だな』


「分かってることは三つ」


 ユウトは指を立てる。


「向こうは数を出しすぎない」


《神観測ストリーム》


[300年ROM専]『確定事項』

[今日も暇な女神]『ケチだねぇ』


「連携は崩れにくい」


《神観測ストリーム》


[戦術屋ヘルメス]『統率型』

[慎重派の神]『厄介』


「無理な追撃はしない」


《神観測ストリーム》


[観測者アレス]『判断基準が見えている』

[今日も暇な女神]『追ってこない敵、嫌すぎ』


 紙から目を離す。


「逆に、分からないことの方が多い」


 セラは黙って聞いている。


「でも、

 分からないまま放っておくには、

 危なすぎる場所だ」


《神観測ストリーム》


[300年ROM専]『筋は通ってる』

[慎重派の神]『だが深入りはするな』


 準備を進める。


 食糧。

 水。

 回復手段。


 一泊以上は想定しない。


《神観測ストリーム》


[地形厨ヘカトン]『長居しない前提、正解』

[今日も暇な女神]『キャンプ配信期待してたのに』


「目的は?」


 セラが聞く。


「戦うことじゃない」


 即答だった。


「状況を見る。

 昨日と同じか、違うか。

 それだけ」


《神観測ストリーム》


[戦術屋ヘルメス]『勝ちに行かない選択』

[観測者アレス]『判断材料を取りに行く動きだ』

[慎重派の神]『線引きは守れ』


 窓の外。

 街はいつも通りだ。


 森の話をしている人はいない。


《神観測ストリーム》


[今日も暇な女神]『平和すぎて逆に不安』

[300年ROM専]『現実だな』


「もし、また同じ状況になったら?」


 セラの声は静かだ。


「同じ判断をする」


 迷いはない。


「逃げる。

 生きて戻る」


《神観測ストリーム》


[観測者アレス]『一貫している』

[戦術屋ヘルメス]『撤退条件が明確』

[今日も暇な女神]『生存厨で好き』


 準備を終え、

 ユウトは椅子にもたれた。


 怖さはある。

 だが、輪郭は昨日よりはっきりしている。


《神観測ストリーム》


[300年ROM専]『判断が積み上がってる』


「明日、朝一で行く」


「了解」


《神観測ストリーム》


[今日も暇な女神]『はい、次回予告!』

[戦術屋ヘルメス]『短時間接触だな』

[慎重派の神]『無理はするな』

[観測者アレス]『判断を見せろ』


 誰にも命令されていない。

 誰にも押し出されていない。


 それでも――

 行く理由は、十分だった。


《神観測ストリーム》


[300年ROM専]『良い準備回だ』


 夜が来る。


 昨日より、

 少しだけ眠れそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ