推しの為なら例え火の中水の中
やっぱりこうなるんだよね。
推しの車に乗せてもらい、何故か助手席に座り、そのまま会社に送って貰うという。
ファンが見たら即暗殺案件だろこれ。え、もしかして今日は俺の命日だった?
いやそんなことは今はどうでもいい......。
問題はこの右隣にいる推しについてだ。
この状況でこんな落ち着いて運転出来る??俺ならできないね、
知らない奴が助手席に座ってんだぜ?そんで今そいつの仕事場に送ってるって、おかしいだろ、初対面だよ。一応言っとくけど。
今日初めてであった人くるまで送ろうとはならんだろ。俺はならんな。
「こっちであってる?」
「ア、ハイ...」
「ねぇ緊張してる?笑」
「し、しししししてないですケドッ!?」
「ふはっ笑」
「〜〜〜〜〜ッ(萠)」
こいつぅ...俺が推しだって気づいたな。流石アイドル、そういう目には敏感なのか。くっそ緊張度が上がったじゃぁねぇか。今まではまだ余裕あったのにぃぃ!!
「ほら、このへんだろ?」
「あ、はい!ありがとうございましたっ!!」
「あっ、ちょっと!?...行っちゃったよ」
呼び止められた気がするけどそれどころじゃない、今は遅刻するかしないかギリッギリの時間...1歩でも間違えれば遅刻→上司に怒鳴られる。
1番最悪の事態だな。それだけは避けなければ。
「次は気をつけてね」
「はい、すみません...」
いや遅刻したよ、結局遅刻だよ。
今日は上司の機嫌よかったから助かったものの...。あー、この気持ちで仕事したくねぇ〜
「山下さん、山下さん」
「はい、?」
「ロビーでお客様がお待ちです...///」
「?わかりました」
何の照れ?
............待って最悪な想像をした。え?聞きたい?推しがお客様っていう事態だよ。
最高の間違いじゃないかって?馬鹿野郎。湊月がどんだけ人気アイドルだと思ってんだよ。社内にファンいまくりだぞおい。
こんなんで俺指名で来られてみろ、質問攻め待ったナシだろうがコノヤロー。
さて、これが推しでも推しじゃなくてもやる気削がれてきた。最悪だよもう。今日一日でどんだけイベントこなさないといけないんだ.....。