革命
マッシーナ村に来た主人公は族長スヴィトと技術長ジョストキーに会う。しかし、産業部長メイとジョストキーが喧嘩してしまった。なにしてんねん。
「えー、昨日は本当に申し訳なかった。」
あの威勢はどこへやら、ジョストキーさんが謝罪をしてきた。
「あら、急に聞き分けが良くなったじゃない。」
メイが勝ち誇った顔で言った。
「申し訳ありません。あのあとジョストキーに問いただした所、酒を飲んでいたらしく…。」
スヴィト曰くジョストキーは酒に弱いわけでは無いが、気が強くなるそうで、オマケに昨日は特別飲んだくれたんだとか。なにやってんだ。
「しかし、我らが非道を尽くしてしまった事実は変わらん。どうか、許して欲しい。」
「あぁ、俺も代わりと言っちゃなんだが、協力させてくれ。もちろんお嬢さんと一緒にな。」
なんとか丸く収まってくれたようでホッとした。
「そうしたら、まずは技術交換をしましょうか。何が得意で何が不得意なのか、知りたいですから。」
「そうだな、細かい部分は資料を読んでもらうが、ざっくり言うと、俺たちぁ質より量だな。」
「質より量…というと?」
「簡単な設計で作りやすいモンを全員で作るんだ。学べば誰でも作れる。魔法と違ってな。だが、小型化すんのと工芸品みてぇなのが苦手だ。」
「ここに来るときに使った昇降機とやらも、仕組みは単純だと?」
「あー、アレはちょっと別だな。技術力の結晶のひとつと言ってもいい。だが、油圧ユニットがデカいから一家に1台とはいかねぇな。」
「しかしまぁ、量か。我々は個々の性能は高いものが多いが魔法に頼ったものが多いので作り手が少ないのだよ。」
「そうか…魔法で作った道具を俺は知らなくてな。」
「それは失礼、例えばひとつあれば大部屋を明るく照らせるランプ、会話内容を文字におこしてくれる印刷機なんかがあるな。」
「超がつくほど高額ですけどね。」
「なるほどな。丁度長所と短所が噛み合いそうだ。例の特大農場の建設予定地は決まってるんだよな?」
「あぁ、既に決まっている。」
と、聞いてはいる。今のところ正式な書類が届いていないが、今ごろ届いているはずだ。
「そういえば、ここに来るまでアンタら大変だったろ。」
「そうですね。ヒドい目に会いました。」
メイが口をとがらせる。
「いつまでいるんだ。急かすつもりはねぇが、転送装置が雪に埋もれてるだろうから、準備させなきゃならねぇ。」
「セオドア様は少ししたらお帰りになられます。ですが、我々産業部の人間が十数人ほど滞在させていただきます。」
スヴィトが目を見開く。伝えてないのか。
「心配はいりませんよ。産業部の人たちは研究バカしかいないので。」
そういうことじゃねぇ。
数日間、我々はマッシーナ村を観光した。地下にあるそれはやっぱり明るく、人々も笑顔で溢れていた。
そして、王都へ帰る日が来た。
「転送装置の雪かきが終わりました。いつでも使えます。」
「転送装置なんてあったのなら行きも使えばよかったじゃないですか。」
「メイはそう思うかもしれんが、雪に埋もれてるから難しいのだよ。しかし、今後は人の流れが多くなるだろうから、整備を頼むよ。」
ここは民の暮らしを豊かにするための礎となるだろう。
王都に戻って来た。各部の人間が待ってましたと言わんばかりにやってきて、とんでもない量の書類を置いていった。これ全部確認するのか…。
道の整備に予算の前借り、この前やったばかりの役所の再建、あの街にもう長老の像いらんだろ何個目だ?盗賊の対応とかこの規模なら各々で対処できるだろ。
「ん?」
ひとつだけ目に留まる。
[大規模農場建設予定地の再考]
これを書いたのは…森の民か。また、面倒なことになりそうだ。
長老の像は17体目になるらしい。




