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報告会(2)

報告会後編

前編を読んでからのほうが、わかりやすいと思います。

軍部長はいつ来るんでしょうか。

「次、国民部。」

「はい!意見箱の内容をまとめました。多かったのは減税を求めるものや農作物の流通が少ないというもの、地方だと魔獣の駆除を求める声もあがっています。」

「減税は難しいな。」

切り詰めることができるとこはすでにやっている。

それに、少しの余裕を持たせて貯蓄をしておきたいのもある。

「農作物は別に流通を渋っているわけでもない。

問題は魔獣の対処だが…」

「それはジャズさんの仕事です。」

「…来ないな。まぁ後で伝えておいてくれ。じゃあ

自然部。」

「そうですね~。環境に対する配慮は以前と同じようにしていくれたら大丈夫ですね~」

喋るのがおっそい

「ただ、」

急にエンバーが声色を変えた。

「魔獣の駆除ですが、一部地域では魔獣を神聖としている所もあります。私も生き物が無駄に苦しむ姿を見たくはありません。過度な殺生は控えてくだいね〜。」

 彼は自然に神様が宿るとされる民族の出だ。被害者について考えてないわけではないだろうが、魔獣も

守るべきものであると考えている。内心は駆除の話について不愉快に思っているだろう。

「もちろんだ、何事もやり過ぎは良くない。」


「ジャズは遅いですね…。」

ビルがしびれを切らした。

「もう、後は彼だけなのですがねぇ。」

メイも少しイライラしているよう…

   (ガチャ)

「スマンスマン、王都に戻る途中で魔獣に襲われて遅れちまった。」

ジャズがやっと来た。

彼は自ら前線に立つタイプの人間だ。我としては

一応、軍部長なので部屋で各部隊の管理をしてほしいのだが、どうも部屋でじっとしていられないらしく

気がつけば各地域の駐屯地へ視察に行っては、だいたい何かに襲われ戦って帰ってくる。そして、その間は直属の部下に仕事を丸投げしているのだ。

「ジャズさん、なぜ報告会のある今日という日にどこかに行ってしまうのですか?」

もちろん、こういうのに厳しいロイヤーが軽く怒り

「…すまねぇ」

と、ジャズが謝る。

「この会話、親より聞いたわ。」

メイがため息をついた。


「なるほどな、つまりオレんとこの部署は魔獣への警戒をやり過ぎない程度に強めるンだな。」

「そうですね、お願いします。」

ロイヤーがここまでの説明をしてくれた。

「んで、こっちからは特別緊急でやってほしいことはねぇ。強いて言えば対空戦が増えてきて上手く戦えないこと、海上での戦闘もまだリスクが高いこと、

あとは装備なんかの旧式化だな。」

「最後に装備を更新したのはいつだったか。」

「15年ほど前です」

ヤバい。何がヤバいってここ数年で魔法具の最適化とか新しい魔獣の家畜化に成功していることだ。

多分、民間の警護団のほうがいい装備してる。

「ビル、今年の予算はいくら残ってる。」

「もうほとんど使う予定が決まっています。装備の一新なら数年後になりますよ。」

国の統治をする上でいざという時の武力が使い物にならないと、いつか国が無くなる。

「……よし、まずは国営農場を新しく作る。」

「えっ?今必要なのは農場の数ではなく機能ですよ!どれだけ広くても採れなければ意味がありません!」

「メイよ、私が今交渉している集落。あれの技術を年内に手に入れる。」

「しかし、今まで何度も出向いては追い返されたじゃあないですか!それにどれほどの技術を持っているのかすら分かっていません!」

「…今度は連れてくる。」



 その数日後交渉相手であるマッシーナ村に一通の

手紙が届いた。

「マッシーナ村ノ長ニツグ、一週間後ニ王都ニ来ルコト。コレハ王カラノ勅令デアル。」

ちなみに王が勅令を出すのは初めてです。

先代は毎日のように出してた。

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