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交渉失敗

これは、割と自力で色んなことしてる王様の話。

「だから、協力はできません!何度も言っているでしょう?お引き取りください!」

 また断られてしまった。先王の罪の重さが

よくわかる。

深いため息をつきながら馬車に乗る。昔に比べて、

乗り心地も快適になったものだ。

あの一族の技術さえ学ぶことができれば、馬すら使う必要が無くなるだろうに。


 突然だが、我々は危機に面している。

それは初代の王から始まる。


 昔、ある種族の少年は夢をみた。

「いつか、この世の全てを手に入れたい」と。

 そして、彼の夢は現実となった。

 種族の長となり、隣町を征服し、気づけば

国ができていた。彼に国を治める力は無かったが

彼のカリスマに惹かれてついてくるものは多かった。

 国はどんどん大きくなり、ついに世界を手に入れる

ことができるほどの力を持った。


 世界は彼のものになった。が、しかし時間をかけすぎたがために、すぐに亡くなってしまった。


 子供のころ私が父に聞いた私のひいおじいちゃんの

話だ。

 その後、私の父が3代目の王として世界を治めていたのだが、私が幼い頃に亡くなってしまった。

 「年端も行かない子供に世界を治めさせるのは、

いかがなものか」

ということで、父の弟(先代)が4代目として君臨したのだが、それがよくなかった。

 なぜなら……先代が遊んでばかりいたからである!

そのくせ、長生きしてしまった(失礼)ので、

民からの信用が落ち、今にも革命が起きそうだったので、代わりに私が先代と交代(強制)したのだ。

 私の仕事は先代の尻ぬぐいである。

尻ぬぐい1つ目

 ・民からの信頼を取り戻す

尻ぬぐい2つ目

 ・世界中の民が飢えないほどの安定した食料

尻ぬぐい3つ目

 ・反発勢力との和解


 1つ目は王が私に交代したことで、達成できている部分もある。が、先代の悪行をよく知っている者や今まで差別されてきた種族などは、所詮同じ一族の人間ということで、私を受け入れてくれてはいない。

 2つ目は今交渉していた集落の技術を使えば達成できるはずだ。そこで実績を積んでいれば3つ目も比較的スムーズに話が進むだろう。

1つ気がかりがあるとすれば、すでに独立した地域があることだが…。


 いろいろ思い返しているうちに王都に帰ってきた。

大通りを通ると未だに人々の視線が刺さるようで怖い。

 王都には多くの種族が住んでいる、大柄なスターカー族や魔法が得意なインテリクト族、肌が緑で少し小柄なズィリョニッシ族などが代表的だ。

彼らも自分の強みを活かして働いている。

(少し皆の顔が暗いな)

無理もない、周りに農村がたくさんある王都でさえ物価が2倍近く跳ね上がっているのだ。早く交渉を成立させなければ。


 「おかえりなさいませ、セオドア様。話は進みましたか?」

 「残念だが、足踏みどころかどんどん後退してる感じだよ。」

 「左様でございますか…」

 「それにしても、あの村で本当に合ってるのか?

家が両手で数えるくらいしか無かったぞ。」

 「ええ、合っております。」

 技術を持っているのは確からしい。そういえば、

あの家の数にしては村人が多かったように感じる。

「本日の夕食は魚ですぞ。それも、新鮮な

フェザートラウトです。」

 夕食が待ち遠しい


 我々が交渉している村、「グラニッタ」は

マッシーナ族の住む村だ。内向的で王都に来る者は

ほとんどいない。

そして、迫害されていた過去を持つ。北の端に村があるのもそれが理由だ。

 今となっては差別というものを厳しく取り締っているので、住みづらい地域にいる必要も無いのだが…

 「何考えてんのかわっかんねぇ」

 今回はあくまでも交渉であり、一方的なものではない。承諾してくれないようであれば、こちらも相手の願いを叶える方法もあるのだが、その願いがわからない。

 そういえば、明日は報告会があったな。相談してみるか。

魚っておいしいよね。焼き魚だと黒い部分がいい(伝われ)。

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