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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

バイトのシフトを交代する時

作者: 河合祐希

こんな経験ある人おるんですかね?

 歳徳神に二千二十一年を許婚と共に良き年にするために守護を願いたいと思っています。

 そのためにも我が地元に戻り、許婚と共に新年を迎えようと推し量っています。


 存在し得ない許婚と新年を迎えるのが果たして可能なのか。もしも存在していたとてそれは虚像なのでは。近頃はこのような事しか考えられず、まるで神の存在証明しているような気分に陥ります。


 こんな哀れな私を救おうと少しでも思う御仁がおられるのであれば、是非とも交換か交代を頼みたい所存で御座います。


 この文を最後まで読んだ方は相当暇でいらっしゃる残念な人だと推察します。しかし、そう考えるとこの文を親指で打っている私は如何な評価をされるのだろうか。考えるだけで中身のない体を恐怖が震えさせる。


 上記の分を打っている際に分かったのが、この世界の人間は全て虚構であるということ。そう考えると、哀れなのは自分だけではないのではないのか。全人類平等に哀れなのではないだろうか。そう考えると些か気分が良くなっていく気がする。多分気がするだけで終わる。


「全人類平等に哀れ」この言葉で思い出した事が一つある。昔読んだ本に書かれていた「ホログラフィック原理」。思い出したと言っても詳しい内容とかはではなく、言葉のみ。これからの生活で役立つかといえば否。なんて日だ。


 無駄話はここまでにしよう。君に残された選択はただ一つ。「俺のシフトに入る」これだけだ。年末年始に家族で過ごす予定が有ったのか。君には無いだろう。親と疎遠で唯一の理解者である弟は自ら拒絶したんだから。そう泣くな。取り敢えず店長には僕が言っておくよ。「君に頼んだら快く交代を了承してくれた」とな。


「君の泣き顔は最高だよ。おもわず背筋が新陳代謝しちゃったよ。これではスマイルオンリーワンを受賞してしまう。」

 背筋が新陳代謝とはどいう意味だ。俺は昼間の件で殺意が沸き、殺そうとアイツの家に忍び込んで気を窺ってた。だが、アイツの訳の分からない言葉で殺意が薄れた。スマイルオンリーワンは何となく分かりそうでかるが、背筋が新陳代謝に関しては絶対わからない。

「考えるだけ無駄だな。」

 気が抜けて声に出てしまった言葉。自分の失態に焦り口元を抑え、顔を伏せる。数十秒経過してもアイツが近寄ってくる足音は聞こえない。やり過ごしたかと安堵すると同時に体に留めていた空気を少しづつ吐き出す。

「見つけた……まさかベッドの下にいるとは。まぁー、すぐにオシオキに移れる場所と考えると、アリっちゃアリか。」

 驚き過ぎて立ち上がろうとするが無理だった。だって上ベッドだもん。

「また俺を教育するつもりかよこの人でなし。」

 何かを期待する俺自身に嫌気がさす。今夜も長くなりそうだ。


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