上海
果たしてプラズマ爆弾で鬼神タイタンを倒すことは出来るのだろうか、また、体内に最後にたった1人残っていた大貴の運命は……そして、化神の中に入り込んで行動している闇の神が不穏な動きを見せる……
その頃、地上では、
「全員避難してるよな?」
空間移動枠で戻ってきた伊達さんが自衛隊隊員に確認していた。
「はい、勿論です、遺体も生存者もみんな無事で……」
その時
鬼神タイタンの体を中心としてとてつもない大爆発とともに辺りに爆風が広がったのだ。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!みんな伏せろぉぉっ……」
鬼神タイタンの体は巨大な火に飲み込まれ辺りの物は爆風によって吹き飛ばされたのである。
爆風の中、伊達さんは立ち上がりみんなの安否を確認しようした。
「……みんな大丈夫か……もうすぐ爆風は収まると思うからもう少しの辛抱だ………うおぅっ!!」
しかし、そう言った伊達さんは爆風に耐えきれずに思いっきり飛ばされてしまったのだ。
伊達さんが飛ばされるのを最後にようやく爆風は収まりだすが鬼神タイタンを飲み込んでいる火の海は未だに燃え続けていたのである。
オウさんやユウたちもかなり飛ばされていたが殆どの人間は死んではなく死者の中にも肉体を粉々に吹き飛ばされたものもいないようであった。
その時
未だに燃え続ける火の海から触手が現れたのだ。
そして、火の海は掻き消され鬼神タイタンの体が完全に姿を現したのである。
「!?まさかっ……」
「伊達さん、あいつ生きてる……ダメだったのか……」
ユウは絶望で地面に膝を着いた。
「……もう終わりだ」
オウさんも絶望で石を地面に投げつけ自棄を起こしてしまったのだ。
「チクショーッ!!」
リュウも叫び膝を着いて地面を両手で叩いたのだった。
みんな、絶望をという現実を突き付けられていた。
その時
鬼神タイタンの動きがピタリと停止したのだ。
「止まったのか?ヤス」
「ユウ、わからない」
そして、鬼神タイタンのその大きな体がそのまま真後ろに倒れみるみると変色しとうとう完全に白色化したのだった。
「オウさん、白色化したぞ」
「やったぜ、ユウ!!」
「倒せましたね、伊達さん」
「ああ……けど、大貴が……」
その頃、そこから少し離れた場所にて、
「危なかった……」
俺は間一髪で鬼神タイタンの体内から空間移動枠で脱出することが出来たのである。
少しして僕の所へヤスと伊達さんがやって来た。
「ダイ、大丈夫か!?」
「ああ、間一髪脱出できた」
「大貴、やったな!!奴は死んだぞ」
「ヤス、伊達さん!!俺やりましたよ」
「ダイ、お前ってやつはすげぇよ」
俺はヤスと伊達さんからもみくちゃにされたのだ。
「大貴、てっきりお前もう駄目だと思ったよここまで飛ばされちゃったよ」
「伊達さん、よしてください……俺は生きてますよ」
「そうだな、まるでヒーローだ」
「いや、ヒーローって程じゃ……」
「なに言ってんだ、ダイ、お前は立派なヒーローだ」
「大貴、こいつの言う通りだ……それじゃ、2人ともひとまずみんなのところに戻ろう」
俺たちはみんなのところに向かうのだった。
うわっ、あちらこちら爆風で飛ばされてる……おっ!!本当だ、あのデカブツ倒れて白色化してるな。
鬼神タイタンの死骸は白色化していてもう動く気配はなく静かに倒れていたのである。
「やったぁぁぁ!!」
俺はこんなに興奮したのは生まれて初めてだった。
大人たちも例外ではないようで自衛隊やアメリカ軍の隊員が白色化した鬼神タイタンの上に乗り記念撮影したり今回の最大の武器の開発者であるジョニーさんをみんなで胴上げしたりしていた。
なんかみんな楽しそうだな。
そこへ俺たちの近くに麗子さんがやって来たのだ。
「皆さんよく頑張りましたね」
「麗子さん……俺もうクタクタです」
「フフフ……さてと……」
麗子さんは死骸の腹の辺りにのぼり手を出したのである。
すると火花がバチバチと現れ死骸から空間移動枠が出てきた。
「麗子さん、すげえぇ……」
「女神じゃ普通です」
爆発の後は鬼神タイタンの回りに航空写真からでも明らかに分かりそうな巨大なクレーターが出来ていた。
「よし!!それじゃ……」
俺は命の玉を取り出したのだ。
「ダイ、やれ~」
「ヤス~、言われなくてもやるよ~」
俺は命の玉を鬼神タイタンの死骸に置いたのである。
なんかドキドキするね。
命の玉は力を発動し一気に鬼神タイタンの巨大な身体を赤い光が包み、そして、その体は消えてしまい普通の人の骨と服だけになった。
まさか、人間の骨まで巨大化してるんじゃないかってヒヤヒヤしたわ。
そして、肉体が再生されて鬼神タイタンになっていた人は目を覚ましたのだ。
その後は死者や化神を長時間かけて生き返らせて俺達は数日間かけて東京に帰ってきたのだった。
やっとやっと……
「やっと帰って来れたぁぁ!!」
その時
ケータイに着信が入ってきたのである。
俺のケータイもボロボロだな、今回の戦いの凄さを感じる。
「母さんからだ」
俺は母さんからの電話に出た。
「もしもし、母さん?」
『大貴!!無事なの?』
「ああ、怪我はしたけど無事だよ、それに麗子さんが重症なら直してくれるって言ってたし……つまり、今回は軽症」
『よかったぁ~!!あのね、今すぐ伊達さんや友達連れて帰ってきなさい』
「う、うん、わかった、きるよ」
俺たちはみんなで俺の家の前にやって来るとすぐに母さんが家から出てきて出迎えてくれたのだ。
「お帰り~」
母さんの顔は涙でボロボロになっていたのである。
そんな心配してくれてたんだ、ありがとう……
「ただいま」
「さぁ、入ってみなさん」
「黒田です、お邪魔します」
学はもちろん、黒田も連れてきていた。
だって、以前は仲悪すぎた黒田ももはや大事な仲間、もう友達だから……てか、黒田以外と礼儀正しいな。
そして、俺はリビングに入ったのだ。
『キャウンキャウン』
タロウが俺に駆け寄り飛び付き出迎えてくれたのである。
「タロウ~、ただいま~」
『キャウンキャウン』
「お帰りなさい」
そこへ、真由子もやって来てみんなで出迎えてくれた。
「真由子!!」
「久しぶりね」
「みんな臭いわねぇ~順番にお風呂入ってらっしゃい」
母さんに言われ俺達は全員風呂から上がると母さんと真由子が作ってくれた料理を泣きながら食べたのだった。
因みにみんなが入った後のお風呂場はそれはもう想像を絶する汚さだったとか……
そして、月日は流れ既に全生命が化神化してから9ヶ月が経過しようとしたいたのだ。
この頃にはどんどん化神を弾圧し関東地方と九州地方はほぼ制圧していたのである。
俺は伊達さんと俺の家でチョコプリンを食べながら今後について話していた。
「大貴、次はどこを制圧する?」
「俺は海外がいい!!」
「なんで?」
確かにまずは日本国内優先だけどさ。
「インターナショナルじゃん」
この状況でインターナショナルもクソもあるか……俺~。
「海外旅行したいんだろ~」
「………」
「図星か?」
図星だった。
「まぁ、日本ばっかりやってたら海外の人々が可愛そうだからな……で、どこに行きたい?」
「上海とか」
一度行ってみたかったのだ。
「上海かぁ~」
「日本国内優先ですよね?」
「う~ん……さっきも言ったけど海外の人々が可愛そうだからいいじゃない」
「えっ!?本当ですか?」
伊達さんは結構ガチな方で話を進めていたのだった。
鬼神タイタン事件以降麗子さんが空間移動枠をずっと貸してくれていたのである。
空間移動枠は沖縄と自衛隊本部を繋いでいため沖縄には一瞬で出向くことができた。
そこで、俺たちは麗子さんにもういくつかの空間移動枠を借りそれを持って沖縄に行って沖縄から船で上海に行くことになったのだ。
予定通り事は進み俺たちは船に乗り込み上海へ向けて出港したのだった。
今回は俺と自衛隊隊員数十名に通訳が数名、伊達さん、ホリ、学、オウさん、クラ、ワカ、リュウ、ヤスがメンバーで船3隻で向かうことになったのである。
しかし、いざ、出港すると海は大荒れで到着には4日間もかかってしまった。
そして、上海の港に入港すると早速化神たちがうじゃうじゃと襲いかかってきたのだ。
「チャイニーズ化神」
俺はそう言いながら上海に来れたことに少し興奮し化神銃を中国の化神に発砲したのである。
「楽勝楽勝」
そして、すぐに白色化した化神の死骸を命の玉で人間に戻していった。
生き返った人には連れてきた通訳やオウさんが事情を説明したが全く信じてもらっていないようだった。
その時
向こうの方からピョンピョン跳ねながら向かってくる人影がいたのだ。
「!!なんだありゃ?……………まるでキョンシー」
その時
麗子さんが俺たちの目の前に姿を現したのである。
「あれはこの中国の鬼神です」
「あれが……」
どうみても動き方はキョンシーだろ。
俺は日本の鬼神と区別するために中国の鬼神をキョンシーと呼ぶことにしたのだった。
「攻撃しなきゃ」
俺はキョンシーに化神銃を発砲するもやはり鬼神、しかも日本の鬼神よりも耐久性が高いようで鬼神に戦い慣れた者でも苦戦を強いられていた。
なかなか強い……
その後、やっと数体のキョンシーを倒すことに成功し俺はその勢いで近くにいた化神を一気に処理しに戦闘に出たのだ。
その後も上海制圧は続いたが何しろ中国は人口が多いためかかなり厳しい戦いになったのである。
唯一の支えは食べ物が旨く、もし、観光だったら楽しいがこんな状況じゃ楽しめない。
そんなこんなで上海をある程度制圧するのに3カ月近くかかってしまったのだった。
「もう1年か……」
気がつけば全生命が化神化してから1年経っていた。
その日の夜は皆で上海の中華料理を食べることにしとあるお店に集まっていたのだ。
「焼き小籠包うまいな」
「ほうリュウ、サッカーと梅~棒以外にも好きな物ができたか~」
「ダイ、サッカー1番だよう~」
「普通の蒸した小籠包もうまいぞ~」
「うっ……」
伊達さんが厚揚げ豆腐のような物を口に入れた瞬間様子がおかしくなったのである。
「伊達さん?」
そして、伊達さんはその場にうずくまってしまった。
「こ、これ食ってみろ……」
伊達さんが食べた皿には小さい厚揚げ豆腐のような物があったのだ。
中国の厚揚げ豆腐みたいなやつかな。
「うまそうじゃん!!」
俺達はそれを箸でつまみ上げ口の中に入れたのである。
「!!うっ……臭い……」
「確かに臭すぎるな」
「そうか?ダイ、ヤス」
オウさんだけが食べれていた。
この人は食べ慣れてるんだな、きっと本当は口にいれる前に臭いでヤバイと思ったけど間に合わなかったな。
「オウさん、何これ?」
「ダイこれは腐豆腐」
「まずい……」
「癖になるんだよ」
そうだよな、注文したのもあんただったな。
その頃、上海の誰もいない地下では闇の神が何かをいじっていたのだ。
「よし出来たぞ」
闇の神は先が尖った試験管3本と灰色の四角い物を持っていたのである。
「これで実験用のケルベロスが作れるぞ」
闇の神の後ろでは特殊な鎖に繋がれているが今にも暴れようとしている特殊な鬼神がいた。
「まずはこのキューブの実験で作り出した麒麟を奴らにけしかけてやる」
そして、闇の神は麒麟を鎖から解放して地上に解き放つのだった。




