魔法少女は突然に1
「魔法少女はいるかって?俺達何歳になったと思ってるんだ?」
「えっと30になったばかりかな」
「その30になったばかりの大人が魔法少女?」
「信じてくれ。俺は見たんだ魔法少女を、確かに火の玉を飛ばしていたんだ」
「夢でも見ていたんじゃないの?」
「馬鹿にするなよ、歩きながら眠るなんてことはできない」
まあ確かにそんな芸当出来るわけ無いが、こいつの口から魔法少女って単語が出てくるとは
忘れていたが俺の名前は一堂瑛太、目の前で魔法少女を見たと言っているのが山田哲郎、同じ大学を出たが哲郎は一流の会社に入り俺は出来なく、この年までアルバイトをしている
まあ何時かは俺もと思っているが
そんなことはおいといて哲郎の話はこうだ
残業で遅くなり月明かりの無い薄暗い夜道
街灯もあるにはあるが間隔が長くて、途中は闇に包まれていた
たまに切れたやつもあり更に間隔が長くなっていた
「税金を払っているんだぞ!もっと街灯を増やさないかな!」
歩いている前方に二基切れたやつが現れ暗闇の長さが倍になっていた
「ここを越えたらマンションが見えてくる、あと少し」
一基を超えふと何気なく横を見ると小さな公園が目に飛び込んできた
「この公園、夜見るとかなり不気味だな」
朝は忙しくて見向きもしない小さな公園、休日は親子連れで賑わう小さな公園
「俺も小さな頃はよく遊んでいたな」
何を思ったか誘われるように公園に入ってベンチに座った
「あのジャングルジム懐かしいな。瑛太とよくあそこで遊んでいたな」
ふと何気なく見たブランコが風がないのに揺れていた
まるで誰かが乗ってるみたいに、思わず恐くなりその場を離れようとして腰を浮かしかけて動きが止まった
公園の真ん中にある砂場に誰かがいた
「この時間、誰?でもあの姿は」
よく見ると身長は3メートル位はありその姿は
「化物?化物!馬鹿な、科学が発達した現在社会で化物、いるわけ無い!あれは・・・そう夢、今俺は公園のベンチで寝ている!そうに決まっている。目を閉じて・・・・えっ?目が閉じれない」
どんなに頑張っても下と上がくっつくことはなかった
「あれー美味しそうな人間がいるぞ」
化物がこちらに気がついてゆっくりと近づいてきた
とりあえず逃げようとするがまるで金縛りにあったみたいに動かない
そうしているうちに化物は目の前まで来ていた
「人間とりあえずリクエストを聞いてやる、頭からか足からかを選べ」
多分食べても美味しくないと言っても駄目だろな
「選びたくないが、頭からかお願いします」
先に気を無くした方がいいに決まっている
「じゃ頭からか食べてやる」
そう言うと化物は口をゆっくりと開けてゆくと鋭い牙が見え真ん中に赤い舌がまるで地獄に向かうレッドカーペットに見えてきた
俺は目を閉じると
「お父さん、お母さん今まで育ててくれてありがとうございました」
頭に化物の息を感じた直後化物に何かがあった音がして強烈な風に襲われ飛ばされそうななるが何とか踏みとどまり目を開けると化物は消滅していた
(いったい何が起こったんだ?)
「君危なかったね。遅れていたら確実に食べられていたね」
その声の方向に
「いたんだ、魔法少女が、あれは間違いない魔法少女で、火の玉で化物を倒してくれたんだ」
「ちょっと待て、哲郎その魔法少女が火の玉を撃つ瞬間目を閉じていたんだよな」
「怖くて目を閉じていた」
「じゃ魔法少女が火の玉を撃ったかはわからないのでは」
「それはそうだが・・・いや間違いない」
そう思い込んでるからどう言っても無駄みたいだ
魔法少女何ているわけ無い
それは多分幻。化物も魔法少女も
哲郎は夢でも見ていたんだ
「じゃ俺帰るわ」
ゆっくりと立ち上がり歩き出した俺に
「そう言えばその魔法少女がこんなことを言っていたな。『少年えいたを知らないか』って、まさかお前のことかな」
動きが止まる
確かに俺の名前は瑛太だが魔法少女に知り合いはいない筈
「多分聞き違いだろ。名前だけでは。苗字は」
「いや言っていない。ただその後に『見つけなくては。早く見つけなくては』かなり急いでいたみたいだぞ」
「そうなんだ、じゃそのえいたが見つかる事を祈っておくよ」
そう言うと俺は哲郎の家を出た
まあ俺には関係ないと思っていたが、直ぐ直後に間違いだったと気づくのであった
月明かりの無い真っ暗な道を歩いていた
街灯はあるにはあるが間隔が長くて途中は暗闇が支配していた
(ちょっと待てこんな感じの話を最近聞いたような)
少し行って何気なく横を見たら小さな公園が目に
(さっきの哲郎の話と似ているような)
多分休日は家族連れで賑わうんだろうが今は静まり返っていた
ふとみたブランコや鉄棒に懐かしさを覚え中に入りベンチに腰を掛けた
誰もいない公園に生暖かい風が吹き抜けて行く
(そう言えばよく哲郎とこんな公園で暗くなるまで遊んでいたな)
何気なく見た砂場に誰かがいた
(何か嫌な予感がする、哲郎の話と同じなら)
視力はかなりいい方だが、月明かりの無く薄暗くてよく見えない
(月明かりがあれば)
と月にかかっていた雲がゆっくりと引いて行き当たりを照らして行きそして
「化物?あれは哲郎の言っていた化物なのか」
身長は多分3メートルはありそうな化物はゆっくりと砂場で何かと戯れていた
よく見るとそれは
「犬?まさか犬の死骸と戯れているのか」
その光景に吐き気を催すが何とか堪える
「今ならまだ見つかっていない。逃げるなら」
ゆっくりと音を出さないように動く
出口まで半分のところでまできて砂場を見ると化物はまど犬の死骸と戯れていた
(あと半分、この調子なら)
それにしてもこの科学が発達した時代に化物とは
実は哲郎の家にいてあんな話を聞いて横になり夢でも見てるんじゃないかと頬をつねるとかなり痛いから現実だと思いさらされる
(夢ではないと、あと少し)
しかしその距離が長く感じる
ゴルフで言う1メートルのパットが距離より長く感じるみたいな感じだ
それでも確実に出口には向かっている
そして出口に手をかけ掛けたときふと油断が生まれ
思わずその場に転けて小さな音を出してしまった
(ヤバイ。気づかれたか?)
恐る恐る砂場を見ると化物の動きが止まり音の出所を探しているように見えた
俺はその場に死んだふりをした
まあ相手は熊ではないが、死んだふりは化物に通じる筈と信じて(あとで聞いたが熊には死んだふりは通用しないらしい)決行したが
「あそこで寝ているのは旨そうな人間。犬の死骸にも飽きたし」
ゆっくりと近づいてくるのが足音でわかる
(どうする、このまま通すか?それとも出口に飛び込みそのまま逃げるか?早く決断しないと手遅れになってしまう)
そして化物が途中で止まる気配が
「動かない?動かない?もしかしたら死んでいる」
もしかしたら死んだふり作戦成功か
「まあ死骸でもいいや」
歩みを再開した化物
死んだふりは通用しないらしい
俺は勢いよく立ち上がると出口目指して走り出したが
「やはり生きている方がいい」
化物は加速して先回りして出口を塞ぐと
「さあリクエストを聞いてやる、頭からか足からかを選べ」
(なんか聞いたことのある台詞)
と横から火の玉が飛んできて化物にぶつかり爆発して強烈な風が襲ってき飛ばされそうになるが何とか踏み留まる
化物のいた場所には大きなクレーターが
俺は火の玉の出所を見ると一人の少女が立っていて
「少年大丈夫か?」
俺は体についた誇りを払いながら
「君誰?まさかと思うが」
「これは失礼した私は」
少女は右手をピースにして右目の前に
左手は腰に宛ながら
「正義を愛して悪を憎む。魔法少女キラリン、只今参上」
こうして俺はキラリンと出会った




