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63話 フィリーさんたち

「あんらぁ、銀狼じゃない。じゃあそこの娘はあなたの知り合いってワケぇ?」

「えぇそうよ、腐ィリー。手を出したらただじゃおかないわ」

「そんなことしないわよ~」


 約束通り昼前に馬車の発着場へ行くと、すでにフィリーさんが待っていた。

 フィリーさんは私たちと一緒にいるミオ姉さんを見つけ、相変わらずちょっと不思議な口調で話しかける。

 銀狼ってミオ姉さんのことかな? 二つ名みたいな感じ、カッコいい。


「あんたが変な気を起こさないように釘を差しに来たわ」

「あら? その言い方だとアナタは来ないのかしら?」

「えっと、フィリーさんに着いていくのは私とこっちのエミィさんだけです。ルカとミオ姉さんは見送りに来てくれたんです」


 手をあげて自己主張。ミオ姉さんもフィリーさんも結構背が大きいから、背の小さい私はめいいっぱい手を伸ばさないと視線に入らなさそうだ。


「あらら、アナタが来てくれたら怪我の心配が消えたのだけど。というか一匹狼だった銀狼と親しい人がいたっていうのが驚きだわぁ。そ れ に、もしかしてそっちのボクは弟さん? 可愛らしいこと」

「あぁ、出来るもんならこの愚弟は好きにしてもいいわよ。今回は行かないけど」

「おい姉貴!?」

「なんだかその笑みは裏がありそうね……ま、挨拶はこのくらいにして、ワタシのパーティメンバーが待っているところへ行きたいのだけど……アナタたちはついてくるのかしら?」

「えぇ、もちろん。パーティメンバーにもちゃんと釘を差しておかないとね」

「えー、着いてくるのー? 恐い顔しないでよぉ? じゃあ着いてらっしゃいな」



 フィリーさんに案内されたのは大きな食堂のある食事どころだった。昼前だから、まだ座っている人も少ない。

 フィリーさんに先導された先には男女3人が座っていた。


「ハーイ、おまたせ。当事者は集まったし、それじゃ自己紹介といきましょうか。改めまして、ワタシはフィリベール・エーベン・チャーノ。気軽にフィリーって呼んでね~。武器は鞭、魔法も少し。よろしくね~♪」


 早速とばかりに、フィリーさんが自己紹介。

 フィリーさんはちょっとしゃべり方が不思議なお兄さん。背が結構あって、半袖のシャツの上から革の胸当てだけを付けた冒険者スタイルだ。半袖から覗く腕は筋肉が程よくついている。ムキムキってわけじゃないけど、スラッとしているわけでもない。


「はい、次!」

「オレか……? オスヴィンだ、よろしく」

「もう! つれないわね。彼はオスヴィン・ハーヴィ・ロート。ワタシの相棒で盾役ね。無口で無愛想だけど仲良くしてあげてちょうだい」


 フィリーさんに肩を叩かれ、面倒そうに挨拶する大男がオスヴィンさんだね、覚えた。

 頭を丸坊主にしているし、顔にいくつも傷がついているし、目付きも柔らかいとは言えないしでかなり近寄りがたい雰囲気を放っている。皇都の町中の、それも食事処だというのに鎧を着ており、兜と盾も傍らにおいてある。もちろんそちらにも傷が刻まれており、歴戦を乗り越えてきたことが伺える。

 ……座っているイス、重さで潰れるんじゃないかな。


「フリッツ・リーラです! お世話になりまっす! あ、武器は剣です!」


 元気よく挨拶してくる少年がフリッツ君ね。……フリッツというとエトムントさんちで食べた料理と同じ名前だね。あれ美味しかったなぁ。

 そのフリッツ君は私と同じくらいの歳じゃないかな? 明るめの紫色の髪を短く切り揃えている。触ったらチクチクしそう。


「ニーナ・オリーフ、です。魔法使い見習いです。よろしく、お願いします」


 最後にニーナちゃんか。一言一言、噛み締めるようにして喋る子だね。

 私と同じくらいの背だからきっと年下だろう。……我ながら判断基準で悲しくなってくるが。フードを目深にかぶり、そして前髪も伸ばしているので目が直接見にくい。でも、チラチラと視線を感じる。可愛い。

 背丈もそうだが、髪の色も緑で私と似てるのでちょっと親近感を感じる。


「以上、ワタシたちはこんな感じ。アナタたちも自己紹介をお願いね。あ、一緒に来ない人はする必要ないわよぉ、特にそこの恐い顔の人は。というか銀狼、この子達が怖がるから席をはずしてくれなぁい?」

「くぅっ、こんな可愛い女の子に手を出そうというの、アナタは……!」

「だ か ら、そんなことしないわよ~」


 ミオ姉さん的にはなにか思うところがあったのだろうか、フィリーさんを猛烈に睨んでいる。対するフィリーさんはため息を吐くだけだ。

 ミオ姉さんはどうにもフィリーさんを敵視しているようだ。


新キャラのあれこれを考えてたら力尽きました

ちょっと中途半端だけど、課題がつまってるので水曜の投稿休みます

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