7話 いろんな景色
キリ優先で短め
あのあと、私たちは玉投げをして遊んだ。
体力が皆無なルカはすぐにバテてしまい、風魔法を使って手抜きを始める。
昔と同じ光景だ。
それを見たマリーちゃんとアランくんはすぐにルカの魔法に心惹かれ、午後からはルカによる魔法講座となった。私は魔法を使えないので、その講座は聞き流す。
マリーちゃんとアランくんはそれを真剣に聞いているので遊び相手がいなくなってしまい、すんごく暇だった。
「いや、ホントにすまなかった」
「ふーんだ。どうせ私は魔法できないもん。別に羨ましいなんて思わないし?ましてや、私にはわからない話で盛り上がってたルカたちに気分が害されたとも思ってないし?」
「いや、むっちゃ機嫌悪いんだが……わかった、俺の今日の夕飯から好きなだけ持っていっていいから」
「食べ物で釣る人は嫌いです、でも許す」
その日、ルカは何も食べれなかった。
私の怒りを思い知るがいい!
「少しは遠慮しろよ!ってか食べきれないなら俺に寄越せ!」とか言ってたけど知りません、ルカのご飯は私の非常食に変わりました。
そして一夜明けて、太陽が中程の高さまで上がったころ。
「さ、出るぞ。二人とも、忘れ物、やり残しはねぇな?」
「私たちはいつでも大丈夫ですよ、ホセアさん!村で知り合った子達への挨拶は、ちょうど朝に会えたからしてきました!」
「そりゃ良かったなぁ。よぉし、それじゃ出発だ!」
この村にはわずか2日泊まっただけだったけど、マリーちゃんとアランくんという二人の子供は一緒に遊ぶ仲になった。昨日のうちにここを離れることを伝えていたから涙の別れということにはならなかったけど、朝にわざわざ別れの挨拶をいうために私たちを探していたらしい。
ちょっと暖かい気持ちだ。
「ここからはまたしばらく馬車旅だってさ。ユヌは酔わないように気を付けなよ?」
「ん、気を付ける」
「しっかしあの村はよかったな。何と言うかな、思わぬ出会いがあって、まさに旅って感じだ」
「あー、その気持ちちょっとわかるかも。出会いと別れって旅って感じがするね」
「村の外見こそ変わらなかったけどさ、やっぱり場所が違えばそこに住んでいる人たちは違うわけで、出会いがある。だから、またちょっと変わった景色なんだよな」
「外見が変わらなくても変わった景色、か。そっか、そうなんだよね」
兄さんの死から始めた、いろんな景色を見に行くための旅。
それはなにも風景だけじゃなくて、人との出会いだっていろんな景色になるんだ。
「ルカの癖に中々良いこと言うじゃん」
「お、そうか?誉めても何も出ないからな」
私たちをのせた馬車は皇都を目指してまだまだ進み続ける。私は皇都についてからが旅の本番だと思っていたけれど、その道中だって、ちゃんとした旅なんだなと考えを改めた。




