1話 大切な本③
地下の倉庫の一番奥にある扉。四文字の暗証番号26文字のローマ字で入力するタイプのもの。俺は迷いもせずピ画面をピピピと押す。するとOKの文字が出た
「すごいね雄大!名探偵だよ!メガネかけてないけど」
「・・・あー、そうだな、うん」
昔のマンガ過ぎて一瞬分からなかった。もう再放送すらやっていないはずだが
ちなみに暗証番号はエーラの母親の名前ミラをローマ字に変換した{mira}だ。よくは知らないがエーラの母親は何年か前に他界したらしい。死んだ人が生きている人を見守るという宗教観を聞いたことがあるし、実際そのエーラの家はその宗教だ。・・・本当にメガネかけたほうがいいかも
「ゆうだーい、この中本がいっぱいだよ!」
悩んでしまっためがねをよそに、エーラは既に扉の奥に入っていた。俺も入ると確かにそこには、1000や2000できかない量の本が、書棚に入っていたり床に積まさっていた。というより、ここ一部屋だけで20帖以上あるんじゃないだろうか
「この本、英語じゃない・・・日本語?こっちはイタリア語だ」
昔の文献で読んだことがある言語だ。火星に来る祭、共通語として英語が流用されるようになった。それによりこっちで売ってる本はすべて英語。それ以外は使われていない。それに
「発効日が、2072年・・・今から500年以上も前だと!?」
地球の本だ。でも、なぜだ?地球の本の流通は法で禁止されている。検閲もされて一斉処分されたはずだ。どうしてここにあるんだ。もしかしてこれが禁忌と呼ばれる
「そこまでだ坊主。余計な詮索はやめてここを出ろ」